第110回 看護師国家試験 午後 問27 解説
📝 問題
腸閉塞について正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 腸閉塞ではイレウス管を小腸に留置する。
腸閉塞(イレウス)では、腸管内に貯留した腸液やガスを抜くためイレウス管を小腸に留置し、吸引して減圧する。これにより腸管の拡張や嘔吐が軽くなる。
仰臥位ではなく立位(または座位)の腹部エックス線で鏡面像(ニボー)を認めるのが典型である。腸閉塞では経口摂取は禁止(絶食)とし、水分・電解質は輸液で補う。腸管の細菌増殖や感染に対して抗菌薬を用いることがあり、禁忌ではない。
イレウス管とは
鼻から入れて小腸まで進める長い管。詰まった手前にたまった腸液やガスを吸い出し、腸の張りをとる。
鏡面像とは
立って撮ったエックス線写真で、腸にたまった液体とガスの境目が水平な線に見えること。ニボーともいい、腸閉塞のサインになる。
- 1
仰臥位の腹部エックス線写真で鏡面像を認める。不正解
鏡面像(ニボー)は立位の腹部エックス線で認められ、仰臥位ではない。
- 2
経口による水分摂取は少量にする。不正解
腸閉塞では原則絶食とし、水分・電解質は輸液で補う。原則として経口では摂取しない。
- 3
イレウス管を小腸に留置する。正解
イレウス管を小腸に留置し腸管内容を吸引・減圧する。
- 4
抗菌薬の投与は禁忌である。不正解
細菌増殖や感染に対し抗菌薬を用いることがあり、禁忌ではない。
📚 国試でよく狙われるところ
腸閉塞は、症状の4徴と、絞扼性かどうかの見分けがくり返し問われる。 症状は腹痛・嘔吐・腹部膨満・排便と排ガスの停止の4徴。 絞扼性は見逃すと命に関わり、持続する激しい腹痛・発熱・頻脈・腹膜刺激症状があれば緊急手術になる。
- イレウス管は経鼻的に挿入し、先端を閉塞部の口側の小腸まで進めて減圧する。胃管は胃内の減圧にとどまる。
- 嘔吐や持続吸引が続くと低カリウム血症・代謝性アルカローシス・脱水をきたしやすく、輸液で補正する。
| 分類 | 主な原因 | 特徴・治療 |
|---|---|---|
| 閉塞性(単純性)腸閉塞 | 術後癒着・腫瘍・糞便・異物 | 血行障害はない。絶食・輸液・イレウス管による保存的治療が基本 |
| 絞扼性(複雑性)腸閉塞 | 腸捻転・ヘルニア嵌頓・腸重積 | 血行障害を伴い壊死・穿孔の危険。持続的な激痛・ショック。緊急手術 |
| 麻痺性イレウス | 開腹術後・腹膜炎・低カリウム血症・薬剤 | 腸蠕動音の減弱・消失。原因の除去と保存的治療 |
| 痙攣性イレウス | 鉛中毒など | まれ。腸管の一部が痙攣性に収縮する |
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について