第107回 看護師国家試験 午後 問97 解説

状況設定老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み97〜99の問いに答えよ。 A さん(87歳、男性)。3年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症と診断された。1年前に妻が亡くなってから1人で暮らしている。日常生活は問題なく送れていたが、最近 A さんは薬を飲み忘れることが増えてきたり、電話の応対ができなかったりすることがあり、日常生活に支障が出るようになった。 A さんの状態に該当する認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のランクはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 服薬管理や電話応対など日常生活に支障が出るが誰かの注意で自立できる状態は、日常生活自立度ランクⅡbである。

認知症高齢者の日常生活自立度判定基準では、ランクⅡは「日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少みられても、誰かが注意していれば自立できる」状態を指す。 その障害が家庭外でみられる場合をⅡa、家庭内でもみられる場合をⅡbとする。 Aさんは1人暮らしの家庭内で服薬の飲み忘れや電話応対の困難が生じており、家庭内での支障にあたるためランクⅡbである。

ランクⅢは介護を必要とする程度の症状・行動がみられる状態で、日中が中心ならⅢa、夜間が中心ならⅢbとなる。ランクMは著しい精神症状や問題行動があり、専門医療を要する状態である。 Aさんは日常生活を概ね送れており、介護を常時要する段階ではない。 ランクⅡaとⅡbの区別は「家庭外か家庭内か」で決まる点が頻出である。

  • 1

    ランクⅡa不正解

    ランクⅡaは支障が家庭外でみられる場合。本例は自宅内での服薬・電話の支障のため該当しない。

  • 2

    ランクⅡb正解

    家庭内で服薬忘れや電話応対困難など支障があり、注意があれば自立できる状態でランクⅡbに該当する。

  • 3

    ランクⅢa不正解

    ランクⅢaは日中に介護を要する症状・行動がある状態。Aさんは介護を常時要する段階ではない。

  • 4

    ランクⅢb不正解

    ランクⅢbは夜間に介護を要する状態で、本例の程度を超えている。

  • 5

    ランクM不正解

    ランクMは著しい精神症状・問題行動で専門医療を要する状態であり、本例には当たらない。

📚 混同しやすいので注意

認知症高齢者の日常生活自立度判定基準は、ランクと状態像を入れ替えて問われる。 枝分かれの軸は2つ。Ⅱは家庭外がⅡa・家庭内がⅡb、Ⅲは日中がⅢa・夜間がⅢbと、対にして覚えよう。 生活のどの場面が障害されるかも、あわせて問われる。

  • 服薬管理・金銭管理・電話の応対・買い物は手段的日常生活動作(IADL)に含まれ、認知症では早期から障害されやすい
認知症高齢者の日常生活自立度判定基準
ランク状態
Ⅰ何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内および社会的にほぼ自立
Ⅱa日常生活に支障を来す症状・行動や意思疎通の困難さが多少みられるが、誰かが注意していれば自立できる(家庭外でみられる)
Ⅱb同上の症状が家庭内でもみられる
Ⅲa介護を必要とする症状・行動や意思疎通の困難さがみられ、日中を中心に現れる
Ⅲb同上の症状が夜間を中心に現れる
Ⅳ介護を必要とする症状・行動が頻繁にみられ、常に介護を必要とする
M著しい精神症状や問題行動、重篤な身体疾患があり、専門医療を必要とする

参考: 厚生労働省「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」

出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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