第107回 看護師国家試験 午後 問83 解説

一般人体の構造と機能✔ 監修済み

📝 問題

健常な成人の心臓について、右心室と左心室で等しいのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

1・5

💡 解説

✅ 右心室と左心室で等しいのは、単位時間当たりの収縮の回数と1回拍出量である。

健常な心臓では、右心室と左心室は同一の刺激伝導系(洞房結節からの興奮)により同期して拍動するため、単位時間当たりの収縮回数(心拍数)は左右で等しい。 また、体循環と肺循環は直列につながっており、長期的には左右の心室から拍出される血液量が等しくなければ循環が破綻するため、1回拍出量も左右でほぼ等しい。

左右で違うのは、内圧と壁の厚さである。 体循環へ高い圧で送り出す左心室は収縮時の内圧が高く心室壁も厚く、肺循環を担う右心室は低圧で壁が薄い。

  • 1

    単位時間当たりの収縮の回数正解

    左右の心室は同一の刺激伝導系で同期して拍動するため、単位時間当たりの収縮回数は等しい。

  • 2

    拡張時の内圧不正解

    拡張時の内圧は左心室のほうがやや高く、左右で等しくない。

  • 3

    収縮時の内圧不正解

    収縮時内圧は体循環へ送る左心室の方が肺循環の右心室より高く、等しくない。

  • 4

    心室壁の厚さ不正解

    心室壁は高い圧に耐える左心室のほうが厚く、左右で等しくない。

  • 5

    1回拍出量正解

    体循環と肺循環は直列につながっており、左右心室の1回拍出量は等しくなければ循環が保てない。

📚 混同しやすいので注意

左右の心室は、等しいものと違うものを入れ替えて問われる。「拍動数」と「1回拍出量」は等しく、「内圧」と「壁の厚さ」は異なる、と対にして覚えよう。 心拍出量の求め方と刺激伝導系の順序も、あわせて問われる。

  • 心拍出量=1回拍出量×心拍数。成人の1回拍出量は約60〜70mL、心拍出量は約5L/分
  • 刺激伝導系は洞房結節→房室結節→ヒス束→右脚・左脚→プルキンエ線維の順に興奮が伝わる
右心室と左心室の比較
項目右心室左心室
送り出す先肺循環(肺動脈)体循環(大動脈)
収縮期内圧約25mmHg(低圧)約120mmHg(高圧)
心室壁の厚さ薄い(約3〜5mm)厚い(約10〜15mm)
1回拍出量ほぼ等しいほぼ等しい
収縮の回数等しい(同一の刺激伝導系)等しい(同一の刺激伝導系)

参考: 系統看護学講座 人体の構造と機能(解剖生理学)/標準生理学

出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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