第107回 看護師国家試験 午後 問82 解説
📝 問題
精神障害者のリカバリ〈回復〉について正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 精神障害者のリカバリ(回復)では、本人の強みに着目するストレングスモデルが適用される。
リカバリ(回復)とは、症状が完全に消失することではなく、精神障害をもちながらも希望をもって自分らしい生活を主体的に築いていく過程を指す。この考え方では、本人の強み(ストレングス)や資源に着目して支援するストレングスモデルが適用され、当事者主体・希望・自己決定を重視する。 回復は直線的ではなく、行きつ戻りつしながら進む非直線的な過程である。
国試では、リカバリの要点(当事者中心・希望・ストレングス視点・非直線的な過程・寛解の有無に限らない)が問われる。 「寛解した時点から始まる」「1人で達成する」「病識を獲得するまでの過程」は、いずれもこの要点と合わない。
- 1
ストレングスモデルが適用される。正解
リカバリ支援では本人の強みや資源に着目するストレングスモデルが適用される。
- 2
目標に向かう直線的な過程である。不正解
リカバリは行きつ戻りつしながら進む非直線的な過程であり、直線的な過程ではない。
- 3
精神疾患が寛解した時点から始まる。不正解
リカバリは症状の寛解の有無にかかわらず進む過程で、寛解した時点から始まるものではない。
- 4
精神障害者が1人で達成を目指すものである。不正解
リカバリは支援者や周囲との関係の中で進むもので、1人で達成を目指すものではない。
- 5
精神障害者が病識を獲得するまでの過程である。不正解
リカバリは病識獲得を到達点とする過程ではなく、自分らしい生活を築く主体的な過程である。
📚 ここも一緒におさえておこう
リカバリを支える考え方は、言葉と中身を入れ替えて問われる。それぞれの意味を対にして覚えよう。
- ストレングスモデル=本人の願望・能力・自信と、環境(資源・社会関係・機会)の強みに着目する支援モデル
- エンパワメント=本人が力を取り戻し、自らの生活を自分で決められるようにする過程
- ピアサポート=同じ経験をもつ当事者どうしの支え合い。ピアサポーターとして活動する例もある
- IPS(個別就労支援プログラム)=希望に基づき一般就労を目指し、就労後も継続支援する
- アドボカシー(権利擁護)=本人の意思や権利を代弁し守る働きかけ
参考: 系統看護学講座 精神看護学/厚生労働省 精神保健医療福祉に関する資料
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について