第107回 看護師国家試験 午後 問71 解説
📝 問題
無対の静脈はどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ 無対(左右一対でない単一)の静脈は門脈である。
門脈(門脈本幹)は、上腸間膜静脈と脾静脈などが合流して形成される単一(無対)の静脈で、消化管や脾臓からの静脈血を肝臓へ運ぶ。 左右対になっていない正中の血管であり、本問の「無対の静脈」に該当する。 一方、鎖骨下静脈・総腸骨静脈・内頸静脈・腕頭静脈はいずれも左右一対(有対)で存在する。
国試では、有対・無対の血管の区別が解剖の基本知識として問われる。 無対の代表的な静脈には門脈のほか奇静脈などがある。 門脈は肝門脈系という特有の循環経路をつくる点でも重要で、肝硬変時の門脈圧亢進・側副血行路(食道静脈瘤)と関連づけて覚えるとよい。
- 1
鎖骨下静脈不正解
鎖骨下静脈は左右一対で存在する有対の静脈であり、無対ではない。
- 2
総腸骨静脈不正解
総腸骨静脈は左右一対で存在し、合流して下大静脈となる。無対ではない。
- 3
内頸静脈不正解
内頸静脈は左右一対で存在する有対の静脈であり、無対ではない。
- 4
腕頭静脈不正解
腕頭静脈は左右一対で存在し、合流して上大静脈となる。無対ではない。
- 5
門脈正解
門脈は左右対をなさない単一(無対)の静脈で、胃・腸・脾臓の血液を集めて肝臓へ運ぶ。
📚 混同しやすいので注意
血管は左右一対で存在する有対のものと、正中に単一で存在する無対のものに分けられる。
- 無対の静脈=門脈・奇静脈・半奇静脈・上大静脈・下大静脈
- 有対の静脈=内頸静脈・鎖骨下静脈・腕頭静脈・総腸骨静脈・腎静脈など
- 無対の動脈=腹腔動脈・上腸間膜動脈・下腸間膜動脈(腹部大動脈から正中に分岐)
- 門脈圧亢進症では食道・胃静脈瘤、腹壁静脈怒張、痔核といった側副血行路が発達する
参考: 系統看護学講座 人体の構造と機能(解剖生理学)/解剖学講義
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について