第107回 看護師国家試験 午後 問72 解説
📝 問題
血液中の濃度の変化が膠質浸透圧に影響を与えるのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 血液中の濃度変化が膠質浸透圧に影響を与えるのはアルブミンである。
膠質浸透圧は、血漿蛋白、とりわけアルブミンによって生じる浸透圧である。 アルブミンは分子量が大きく毛細血管壁を通りにくいため血管内に水分を保持する働きをもち、その濃度が低下すると膠質浸透圧が下がって間質へ水が移動し浮腫を生じる。 アルブミン濃度の変化が膠質浸透圧に直接影響する。
国試では「膠質浸透圧=アルブミン」「晶質(結晶)浸透圧=ナトリウムなどの電解質・グルコース」という対応が頻出。 低アルブミン血症(ネフローゼ症候群、肝硬変、低栄養)で浮腫・腹水が生じる機序と結びつけて理解すると、臨床問題にも応用できる。
- 1
血小板不正解
血小板は止血に関与する細胞成分で、膠質浸透圧を規定する血漿蛋白ではない。
- 2
赤血球不正解
赤血球は酸素運搬を担う血球で、膠質浸透圧を生じさせる血漿蛋白ではない。
- 3
アルブミン正解
アルブミンは血漿蛋白の中で最も多く、膠質浸透圧をつくる主役である。
- 4
グルコース不正解
グルコースは晶質(結晶)浸透圧に関与する低分子物質で、膠質浸透圧を規定しない。
- 5
ナトリウムイオン不正解
ナトリウムイオンは晶質浸透圧を規定する電解質で、膠質浸透圧には影響しない。
📚 混同しやすいので注意
浸透圧は、電解質やグルコースなど低分子が生じる晶質浸透圧と、血漿蛋白が生じる膠質浸透圧に分けられる。
- 血清アルブミンの基準値はおよそ3.8〜5.2g/dL
- 低アルブミン血症をきたす代表疾患はネフローゼ症候群・肝硬変・低栄養・蛋白漏出性胃腸症
- 膠質浸透圧の低下は間質への水分移動を招き、浮腫・腹水の原因となる
| 種類 | 主な規定因子 | 意義 |
|---|---|---|
| 晶質(結晶)浸透圧 | ナトリウム、クロール、グルコース、尿素 | 細胞内外の水分移動を規定する |
| 膠質浸透圧 | アルブミンなどの血漿蛋白 | 血管内に水分を保持する |
参考: 系統看護学講座 人体の構造と機能(解剖生理学)/標準生理学
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について