第107回 看護師国家試験 午後 問70 解説
📝 問題
神経伝達物質と効果器の組合せで正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 神経伝達物質と効果器の組合せとして正しいのは、アドレナリンと血管である。
アドレナリン(ノルアドレナリンを含むカテコールアミン)は交感神経の伝達物質・ホルモンとして血管平滑筋のアドレナリン受容体に作用し、血管を収縮(α作用)または一部で拡張(β2作用)させて血圧・血流を調節する。 「アドレナリン―血管」は効果器との組合せとして正しい。 他の選択肢は伝達物質と効果器の対応がずれている。
国試では自律神経の伝達物質(交感神経節後線維=ノルアドレナリン、副交感神経および交感神経節前・汗腺=アセチルコリン)と主な効果器の対応が問われる。 アセチルコリンは瞳孔括約筋(縮瞳)に作用し瞳孔散大筋ではない、汗腺は交感神経支配だが伝達物質はアセチルコリンである、といった例外を整理しておくと解きやすい。
効果器とは
神経からの指令を受けて実際にはたらく器官のこと。心臓や血管などの筋と、汗腺・唾液腺などの腺がこれにあたる。
- 1
γ-アミノ酪酸〈GABA〉 -- 気管不正解
GABA は中枢神経系の抑制性伝達物質で、末梢の気管を直接効果器とする組合せは適切でない。
- 2
アセチルコリン -- 瞳孔散大筋不正解
瞳孔散大筋は交感神経(ノルアドレナリン)支配で、アセチルコリンは瞳孔括約筋にはたらいて縮瞳を起こす。
- 3
アドレナリン -- 血管正解
アドレナリンは血管平滑筋の受容体にはたらき、血管の太さを変えて血圧を調節する。効果器は血管である。
- 4
セロトニン -- 心筋不正解
心筋を主に調節するのは交感神経(ノルアドレナリン)と副交感神経(アセチルコリン)で、セロトニン―心筋は適切な組合せではない。
- 5
ドパミン -- 汗腺不正解
汗腺は交感神経支配だが、伝達物質はドパミンではなくアセチルコリンである。
📚 混同しやすいので注意
自律神経の伝達物質と効果器の対応は、例外を押さえると混乱しにくい。
- 瞳孔散大筋=交感神経(散瞳)/瞳孔括約筋=副交感神経(縮瞳)
- 副腎髄質は交感神経節前線維の支配を受け、アドレナリンを血中に分泌する
- GABAとセロトニンは主に中枢神経系の神経伝達物質である
| 神経 | 節前線維 | 節後線維 | 効果器の例 |
|---|---|---|---|
| 交感神経 | アセチルコリン | ノルアドレナリン | 瞳孔散大筋、心臓、血管、気管支 |
| 交感神経(汗腺) | アセチルコリン | アセチルコリン(例外) | エクリン汗腺 |
| 副交感神経 | アセチルコリン | アセチルコリン | 瞳孔括約筋、心臓、消化管 |
参考: 系統看護学講座 人体の構造と機能(解剖生理学)/標準生理学
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について