第104回 看護師国家試験 午後 問83 解説
📝 問題
下垂体ホルモンの分泌低下により生じるのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
2・4
💡 解説
✅ 下垂体ホルモンの分泌低下で起こるのは、低身長症とSheehan〈シーハン〉症候群である。
下垂体は、成長ホルモンや甲状腺刺激ホルモンなど、体のあちこちに指令を出すホルモンを作る。 足りなくなると、指令を受けていた臓器のはたらきも落ちる。 成長ホルモンが足りないと骨が伸びず、低身長症になる。 分娩時の大量出血で下垂体前葉が血流不足に陥って壊れると、複数のホルモンが一度に出なくなるSheehan〈シーハン〉症候群となり、産後に母乳が出ない、月経が戻らないといった症状が現れる。
ほかの選択肢は、いずれもホルモンが多すぎるときに起こる。 性早熟症は性腺を刺激するホルモンが早く出すぎるもの、先端巨大症は成長が止まったあとに成長ホルモンが出すぎるもの、Cushing〈クッシング〉症候群は副腎皮質ホルモンが出すぎるものである。
- 1
性早熟症不正解
性早熟症は性腺を刺激するホルモンが早い時期に出すぎて、第二次性徴が年齢より早く現れるもの。分泌の過剰で起こる。
- 2
低身長症正解
成長ホルモンの分泌が足りないと骨が伸びず、身長が標準より低くなる。
- 3
先端巨大症不正解
先端巨大症は骨の成長が止まったあとに成長ホルモンが出すぎて、手足・鼻・下顎が大きくなるもの。多くは下垂体の腫瘍による過剰分泌である。
- 4
Sheehan〈シーハン〉症候群正解
分娩時の大量出血で下垂体前葉が壊れ、複数のホルモンが出なくなる。産後に母乳が出ない、月経が戻らないことが手がかりになる。
- 5
Cushing〈クッシング〉症候群不正解
Cushing症候群は副腎皮質ホルモンが過剰な状態で、満月様顔貌や中心性肥満が現れる。下垂体の腫瘍から副腎皮質刺激ホルモンが出すぎるものはCushing病とよぶ。
📚 混同しやすいので注意
下垂体の疾患は、同じホルモンの「多い」「少ない」を入れ替えて問われる。ホルモンごとに過剰と不足を対にして覚えよう。
| ホルモン | 過剰で起こる | 不足で起こる |
|---|---|---|
| 成長ホルモン | 先端巨大症(小児では巨人症) | 低身長症 |
| 副腎皮質刺激ホルモン | Cushing〈クッシング〉病 | 倦怠感・低血糖・低血圧 |
| 甲状腺刺激ホルモン | 甲状腺機能亢進 | 寒がり・徐脈・むくみ |
| プロラクチン | 乳汁漏出・無月経 | 産後に母乳が出ない |
| 性腺刺激ホルモン | 性早熟症 | 無月経・不妊、第二次性徴の遅れ |
| 抗利尿ホルモン(後葉) | 低ナトリウム血症 | 尿崩症(薄い尿が大量に出る) |
参考: 疾病の成り立ちと回復の促進(内分泌)の教科書
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について