第104回 看護師国家試験 午後 問68 解説
📝 問題
集団精神療法の効果が最も期待できるのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 薬物依存症には、仲間との語り合いが回復を支える集団精神療法の効果が最も期待できる。
集団精神療法は、同じ悩みをもつ人が集まって話し合い、仲間の言葉を通して自分を見つめ直す治療法である。
薬物依存症では「自分は依存していない」という否認が強く、医療者と一対一で話すだけでは行動を変えにくい。 同じ経験をした仲間が語る失敗や再使用の話は自分のことのように届き、やめ続ける力になる。 回復した仲間の姿がそのまま目標になる点も、この療法が効く理由である。
残る3つは、集団の場そのものが負担になったり、話し合いが成り立ちにくかったりする。
自助グループとは
同じ病気や問題をかかえる人が自分たちで集まり、対等な立場で支え合う会。専門職が指導するのではなく、当事者が中心になる。
- 1
過眠症不正解
過眠症は日中の強い眠気が続く睡眠障害で、薬と生活リズムの調整が治療の中心になる。話し合いで眠気が軽くなるものではない。
- 2
躁状態不正解
躁状態では多弁になり刺激を受けやすいため、集団の場では興奮が強まり、ほかの参加者にも影響が及ぶ。急性期は刺激を減らした環境で休息をとる。
- 3
薬物依存症正解
否認をやわらげ、断薬を続ける動機を保つうえで、仲間との語り合いが最も力を発揮する。自助グループへの参加と組み合わせて進める。
- 4
小児自閉症不正解
人とやりとりすることや言葉での表現が苦手なため、話し合いを中心とした集団療法は成り立ちにくい。見通しを示す関わりや個別の療育が中心になる。 なお出題時の「小児自閉症」は、現在は自閉スペクトラム症にまとめられている。
📚 混同しやすいので注意
依存症の支え合いの場は、名前を入れ替えて問われる。会や施設の名前と、対象がアルコールか薬物かを対にして覚えよう。
- ダルクは薬物依存からの回復を目指す民間の施設で、当事者どうしが共同生活をしながら回復に取り組む
- 自助グループは、薬物依存症ではナルコティクス・アノニマス、アルコール依存症では断酒会やアルコホーリクス・アノニマスが代表である
- 家族も相談窓口や家族会につながることで、本人を追いつめない関わり方を学べる
参考: 系統看護学講座 精神看護学/厚生労働省 依存症対策
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について