第104回 看護師国家試験 午前 問86 解説
📝 問題
食道癌について正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
3・5
💡 解説
✅ 食道癌ではアルコール飲料が危険因子となり、ヨードを用いた内視鏡検査が早期発見に役立つ。
日本の食道癌の大半は、食道の内側をおおう平たい細胞から生じる扁平上皮癌である。 最大の危険因子は飲酒と喫煙で、とくに飲むと顔が赤くなる体質の人が飲み続けると危険度が高くなる。熱いものを飲む習慣も関係する。
早期の食道癌は平らで見つけにくい。 そこで内視鏡からヨード(ルゴール)液をまき、正常な粘膜だけが茶色に染まる性質を利用する。染まらずに白く抜けた部分が、がんを疑う場所になる。
他の選択肢は、できる場所・治療への反応・組織の型が実際と逆である。 好発するのは胸部の中ほどで、頸部食道は少ない。 扁平上皮癌は放射線がよく効くため、放射線治療は根治を目指す治療の柱になる。 腺癌が多いのは欧米で、日本は扁平上皮癌が大半を占める。
扁平上皮癌とは
皮膚や食道の表面をおおう平たい細胞から生じる癌。放射線や抗癌薬が効きやすい。
- 1
頸部食道に好発する。不正解
食道癌が最も多くできるのは胸部中部食道で、頸部食道にできるものは全体のごく一部にとどまる。
- 2
放射線感受性は低い。不正解
逆。扁平上皮癌は放射線がよく効くため、放射線治療が根治を目指す治療の柱になる。
- 3
アルコール飲料は危険因子である。正解
飲酒は喫煙と並ぶ最大の危険因子で、両方が重なると危険度がさらに高まる。
- 4
日本では扁平上皮癌に比べて腺癌が多い。不正解
日本の食道癌は9割前後が扁平上皮癌である。腺癌が多いのは逆流性食道炎の多い欧米。
- 5
ヨードを用いた内視鏡検査は早期診断に有用である。正解
正常な粘膜だけが染まる性質を使い、染まらずに残った部分から早期の病変を見つける。
📚 ここも一緒におさえておこう
食道癌は、症状の出方と手術後の看護が続けて問われる。飲み込みにくさから始まる流れをおさえよう。
- 初期は無症状で、進むとしみる感じやつかえ感が出て、やがて固形物が通らなくなる
- 胸部食道の手術は開胸と開腹におよぶ大きな手術で、肺炎が起こりやすい。術前から禁煙と呼吸訓練を行う
- 食道のすぐ横を反回神経が走るため、手術後に嗄声や誤嚥が起こることがある
参考: 系統看護学講座 成人看護学 消化器
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について