第104回 看護師国家試験 午前 問85 解説
📝 問題
多発性硬化症で正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
1・4
💡 解説
✅ 多発性硬化症では中枢神経のあちこちに脱髄病変ができ、MRIで見つけられる。
多発性硬化症は、脳・脊髄・視神経といった中枢神経の髄鞘がこわれる(脱髄する)病気である。 病変が時期を変えて体のあちこちに現れるのが特徴で、MRIを撮ると白い斑状の病変が複数見つかる。診断でも経過を追ううえでも欠かせない検査になる。
他の選択肢は、検査値・症状の原因・障害される場所が違う。 髄液のIgGは増え、オリゴクローナルバンドという特有のパターンが現れる。 視力低下は視神経そのものの炎症で起こり、網膜や脈絡膜の炎症によるものではない。 障害されるのは中枢神経で、末梢神経の脱髄はGuillain-Barré〈ギラン・バレー〉症候群で起こる。
脱髄とは
神経の線維を包む鞘(髄鞘)がはがれること。電線の被覆がはがれたように、信号がうまく伝わらなくなる。
- 1
脱髄病変が多発する。正解
中枢神経の髄鞘がこわれる病変が、時期と場所を変えて次々に現れる。
- 2
髄液中のIgGは低下する。不正解
逆。髄液のIgGは増え、オリゴクローナルバンドがみられる。
- 3
視力低下は網脈絡膜炎による。不正解
視力低下は視神経そのものの炎症(視神経炎)で起こる。網膜や脈絡膜の炎症ではない。
- 4
MRIは病変の検出に有用である。正解
白い斑状の脱髄病変を写し出せるため、診断と経過の観察に用いられる。
- 5
末梢神経が障害されることが多い。不正解
障害されるのは脳・脊髄・視神経といった中枢神経で、末梢神経はここに含まれない。
📚 国試でよく狙われるところ
多発性硬化症は、経過の特徴と生活上の注意がそのまま問われる。「時期も場所もばらばらに起こる」を軸に覚えよう。
- 経過は、良くなったり悪くなったりをくり返す再発と寛解が典型
- 体温が上がると症状が一時的に悪化するUhthoff(ウートフ)徴候がある。熱い湯の入浴を避け、発熱時は無理をしない
- 20〜30歳代の女性に多く、片目の見えにくさやしびれ、歩きにくさで気づかれることが多い
参考: 系統看護学講座 成人看護学 脳・神経
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について