第104回 看護師国家試験 午前 問41 解説
📝 問題
慢性膵炎の患者の食事療法で制限が必要なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 慢性膵炎の食事療法で制限が必要なのは脂質である。
膵臓は、脂肪を分解する消化酵素リパーゼを出している。 慢性膵炎ではその働きが落ちるうえ、脂肪の多い食事は膵液の分泌を強く促して腹痛を招く。 そのため食事療法では脂質を控える。
糖質と蛋白質は制限しない。エネルギーと体をつくる材料として、むしろ十分にとる。 脂溶性ビタミン(A・D・E・K)は、脂肪の吸収が落ちると不足しやすい。制限するのではなく、足りなければ補う。
食事以上に大切なのが禁酒である。アルコールは慢性膵炎の最大の原因で、飲み続けると悪化を繰り返す。
リパーゼとは
膵臓が出す、脂肪を分解する消化酵素。膵炎になると血液中の値が上がるため、診断にも使われる。
- 1
糖質不正解
膵炎で不足しがちなエネルギーを支える主役。制限せず、必要な量をとる。
- 2
脂質正解
膵液の分泌を強く促し、腹痛の引き金になる。慢性膵炎でしっかり控える栄養素である。
- 3
蛋白質不正解
体をつくる材料。栄養状態を保つために、制限せず十分にとる。
- 4
脂溶性ビタミン不正解
脂肪といっしょに吸収されるビタミンA・D・E・K。慢性膵炎では吸収が落ちて不足しやすく、補う側にまわる。
📚 ここも一緒におさえておこう
慢性膵炎は、病期によって食事の方針が変わるところが問われる。腹痛が出る時期と、消化できなくなる時期に分けて覚えよう。 腹痛を繰り返す代償期は、脂質を控えて膵臓を休ませる。 膵臓の働きが尽きた非代償期は、腹痛が減る代わりに脂肪便や体重減少が出る。消化酵素の薬を使いながら脂質の制限をゆるめ、栄養をとることを優先する。 どちらの時期でも禁酒は続ける。
参考: 日本消化器病学会「慢性膵炎診療ガイドライン」/系統看護学講座 成人看護学「消化器」
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について