第114回 看護師国家試験 午後 問37 解説
📝 問題
半座位で頸静脈怒張がみられるのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 半座位での頸静脈怒張は中心静脈圧の上昇を示し、右心不全でみられる。
半座位(上体を45度ほど起こした姿勢)では、ふつう内頸静脈はしぼんでいて目立たない。この姿勢でも怒張して見えるのは、中心静脈圧が上がっているしるしである。
その代表が右心不全で、右心のポンプの働きが落ちて全身の静脈に血液がたまる。頸静脈怒張・肝腫大・下腿浮腫・腹水・体重増加という体循環のうっ血症状がそろう。
「怒張=負荷が高い」「虚脱=負荷が低い」と対にして覚えると迷わない。
- 1
右心不全〈right heart failure〉正解
正しい。右心不全では右房圧(中心静脈圧)が上がり、半座位でも頸静脈が怒張する。肝腫大・下腿浮腫・腹水・体重増加もあわせてみられる。
- 2
広範囲熱傷〈extensive burns〉不正解
広範囲熱傷では血漿成分が血管の外へもれ、循環血液量が減るショックになる。前負荷が下がるため頸静脈はしぼむ。
- 3
大動脈瘤破裂〈ruptured aortic aneurysm〉不正解
大動脈瘤破裂は大量出血によるショックである。静脈に戻る血液が減るので頸静脈はしぼみ、血圧低下・頻脈・冷汗が前面に出る。
- 4
アナフィラキシーショック〈anaphylactic shock〉不正解
アナフィラキシーショックは血管が広がって血液の分布が変わるショックで、前負荷が下がる。頸静脈は怒張せず、蕁麻疹・喘鳴・喉頭浮腫を伴う。
📚 一緒に確認しよう
頸静脈怒張は右心不全のほか、右心に血液が戻りにくくなる病態でもみられる。
- 心タンポナーデ=ベックの三徴(血圧低下・頸静脈怒張・心音減弱)
- 緊張性気胸=患側の呼吸音消失・気管が健側へ偏る・頸静脈怒張
- 収縮性心膜炎、上大静脈症候群(肺癌などで上大静脈が圧迫される)
| 左心不全(肺うっ血) | 右心不全(体うっ血) | |
|---|---|---|
| 呼吸 | 労作時呼吸困難・起坐呼吸・発作性夜間呼吸困難 | 著明でないことが多い |
| 聴診・喀痰 | 水泡音、ピンク色泡沫状喀痰 | — |
| 身体所見 | チアノーゼ、頻脈 | 頸静脈怒張、肝腫大、下腿浮腫、腹水 |
| 体重 | — | 体液貯留により増加 |
参考: 日本循環器学会/日本心不全学会 急性・慢性心不全診療ガイドライン
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について