第114回 看護師国家試験 午後 問31 解説
📝 問題
フィンク,S.L.〈Fink, S. L.〉が提唱した危機モデルの最終段階はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ フィンクの危機モデルは衝撃→防御的退行→承認→適応の4段階で、最終段階は適応。
フィンクは、脊髄損傷のような突然の出来事による危機からの回復を、4つの段階で示した。
・衝撃…頭が真っ白になる強い不安とパニックの時期 ・防御的退行…現実を認めず、見かけ上は落ち着いている時期 ・承認…逃れられない現実に直面し、深い落ち込みや無力感に襲われる時期 ・適応…残された力や新しい価値観をもとに、現実的な自分像をつくり直して生活を組み立てる時期
最終段階は適応である。心理的にいちばん危険なのは、その一つ手前の承認の時期だと覚えておこう。
- 1
受容不正解
受容はキューブラー・ロスが示した、死にゆく患者の心理過程の最終段階である。フィンクの用語ではない。
- 2
適応正解
正しい。過去にとらわれず、いまの自分の力や資源を評価し直して、前向きに生活を組み立てていく段階である。
- 3
問題解決不正解
問題解決はアギュレラの危機モデルの考え方。出来事を現実的に受けとめ、支えてくれる人がいて、適切な対処ができれば危機を避けられる、という枠組みである。
- 4
ラポール不正解
ラポールは援助者と対象者の間に築かれる信頼関係のこと。危機の心理過程の段階名ではない。
📚 混同しやすいので注意
危機モデルは提唱者ごとに段階の名前が違う。表で対にして覚えよう。
| 提唱者 | 段階 | 対象・特徴 |
|---|---|---|
| フィンク | 衝撃→防御的退行→承認→適応 | 突然の外傷(脊髄損傷など)による危機からの回復 |
| コーン | ショック→回復への期待→悲嘆→防衛→適応 | 身体障害の受容過程 |
| キューブラー・ロス | 否認と孤立→怒り→取引→抑うつ→受容 | 死にゆく患者の心理過程 |
| アギュレラ | 均衡状態→不均衡→バランス保持要因の有無→危機回避/危機 | 問題解決型(3つのバランス保持要因) |
| ションツ | 最初の衝撃→現実認知→防御的退行→承認→適応 | 危機からの立ち直り |
参考: Fink SL. Crisis and motivation: a theoretical model. Arch Phys Med Rehabil, 1967
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について