第114回 看護師国家試験 午後 問32 解説
📝 問題
入院して間もない片麻痺がある患者から「着替えがうまくできない。ひとりでできるようになりたい」と訴えがあった。 最初に行う看護師の対応で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ まず実際の更衣動作を見せてもらい、どこがどうできないのかをアセスメントする。
患者は「ひとりでできるようになりたい」と自立への意欲をはっきり示している。この意欲を活かすには、まず実際の動作を見て、どこまでできるのかを確かめる必要がある。
看護過程はアセスメント→計画→実施→評価の順に進む。だから最初にすべきなのは情報収集、つまり着替えるところを見せてもらうことである。
そのうえで、麻痺側の袖を通すのが難しいのか、ボタンの操作が難しいのか、坐位のバランスが不安定なのかが見えてきて、その人に合った援助を組み立てられる。
- 1
「繰り返し練習しましょう」不正解
何がどうできないのかを把握しないまま練習だけを勧める対応。誤った方法を繰り返させたり、できずに自信を失わせたりする。
- 2
「できないところは手伝います」不正解
一見支持的だが、まだ「できないところ」が分かっていない。介助を前提にすると、できる動作まで代わりにやってしまう。
- 3
「着替えるところを見せてください」正解
正しい。実際の場面を見れば、麻痺側上肢の動き、坐位バランス、手指の器用さ、衣服の種類まで一度に分かる。
- 4
「着替えのパンフレットを参考にしましょう」不正解
パンフレットは一般的な手順の資料で、この患者の課題は反映されていない。アセスメントより先に渡しても、実際にできるようにはならない。
📚 これとセットで理解しよう
片麻痺のある人の更衣は「脱健着患(だっけんちゃっかん)」が原則である。
- 脱ぐときは健側から、着るときは患側から
- 患側の袖は肩まで十分に引き上げてから健側を通すと、無理な力がかからない
- 衣服は前開き・伸縮性のあるもの、ボタンは大きめ、面ファスナーへの交換も有効
- 自助具にはボタンエイド、ソックスエイド、リーチャー、長柄の靴べらなどがある
- 麻痺側の肩関節は亜脱臼しやすく、袖を通すときに腕を引っ張らない
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について