第114回 看護師国家試験 午前 問71 解説

一般精神看護学✔ 監修済み

📝 問題

知的障害〈精神遅滞〉〈intellectual disability〈mental retardation〉〉について正しいのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 知的障害は、知的機能と適応機能の両方が障害されるものである。

知的障害(知的発達症)と診断するには、次の3つがそろう必要がある。 ・知的機能の障害(考える・問題を解く・学ぶことの困難。おおむね知能指数70未満が目安) ・適応機能の障害(日常生活・社会生活・学業や仕事で、年齢相応に期待されることができない) ・発達期(おおむね18歳未満)に生じること

近年の診断基準では、重症度を知能指数の数値ではなく適応機能で判定するようになった。同じ知能指数でも、周りの支援や環境によって生活のしにくさは大きく変わるからである。

  • 1

    成人期に発症する。不正解

    知的障害は発達期(おおむね18歳未満)に生じるもの。成人になってからの知的機能の低下は、認知症や高次脳機能障害など別の状態として扱う。

  • 2

    退行現象の1つである。不正解

    退行は、いったんできるようになった機能が幼い段階に戻る現象(弟や妹が生まれたあとの赤ちゃん返りなど)で、別の概念。

  • 3

    統合失調症〈schizophrenia〉が原因となる。不正解

    統合失調症は主に思春期〜青年期に発症する精神の病気で、知的障害の原因ではない。原因は染色体の異常、先天代謝異常、周産期の低酸素、脳の感染や外傷など多様で、分からないことも多い。

  • 4

    知的機能と適応機能が障害される。正解

    正しい。どちらか一方ではなく、両方がそろい、それが発達期に生じることが条件になる。

📚 ここも一緒におさえておこう

適応機能は3つの領域でみる。概念的(読み書き・お金・時間)、社会的(対人関係・ルール)、実用的(身の回りのこと・仕事・移動)。

知的障害の重症度(適応機能で判定する)
重症度全体に占める割合の目安生活の様子
軽度約85%読み書き・計算は苦手だが、支援があれば働いて自立した生活ができる
中等度約10%簡単な会話はできる。日常生活と就労に継続的な支援が必要
重度約3〜4%使える言葉は限られ、日常生活のほとんどに支援が必要
最重度約1〜2%身体の障害を合併することが多く、全面的な支援が必要

出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

この問題をアプリで演習しませんか?

この1問を演習する(無料)第114回の問題一覧を見る