第113回 看護師国家試験 午前 問50 解説
一般老年看護学
📝 問題
高齢者の歩行時につまずきが見られる場合、筋力低下が考えられる筋肉はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 歩行時のつまずきで筋力低下が考えられるのは前脛骨筋である。
前脛骨筋は足関節を背屈させる(つま先を持ち上げる)筋である。 この筋力が低下するとつま先が上がらず(下垂足傾向)、遊脚期につま先が床に引っかかってつまずきやすくなる。
つまずきは「足を前に振り出すときにつま先が上がるか」で決まる。股関節を伸ばす筋、膝を伸ばす筋、蹴り出しを担う筋の力が落ちても、つま先の引っかかりには直結しない。
- 1
大殿筋不正解
大殿筋は股関節を伸展させる筋で、つま先の引っかかりに直結しない。
- 2
前脛骨筋正解
前脛骨筋は足関節を背屈させる筋で、低下するとつま先が上がらずつまずきやすくなる。
- 3
下腿三頭筋不正解
下腿三頭筋は足関節を底屈させ、蹴り出しを担う筋である。
- 4
大腿四頭筋不正解
大腿四頭筋は膝関節を伸展させる筋である。
📚 国試でよく狙われるところ
歩行のどの相で何が起こるかを筋の作用と結びつけると、転倒リスクの評価に役立つ。遊脚期につま先を床から離す働きは前脛骨筋が担う。
- 高齢者の転倒の内的要因=筋力低下・バランス障害・視力低下・起立性低血圧・薬剤(睡眠薬・降圧薬・向精神薬)。
- 外的要因=段差・敷居・コード類・滑りやすい床・不適切な履物・暗い照明。
- 転倒による大腿骨近位部骨折は寝たきりの主要因となる。
| 筋 | 主な作用 | 支配神経(障害時の所見) |
|---|---|---|
| 腸腰筋 | 股関節の屈曲 | 大腿神経・腰神経叢 |
| 大殿筋 | 股関節の伸展 | 下殿神経 |
| 中殿筋 | 股関節の外転(骨盤の安定) | 上殿神経(麻痺でTrendelenburg歩行) |
| 大腿四頭筋 | 膝関節の伸展 | 大腿神経(膝折れ、膝蓋腱反射低下) |
| ハムストリングス | 膝関節の屈曲 | 坐骨神経 |
| 前脛骨筋 | 足関節の背屈 | 深腓骨神経(麻痺で下垂足・鶏歩) |
| 下腿三頭筋 | 足関節の底屈(蹴り出し) | 脛骨神経(アキレス腱反射) |
参考: 運動器の解剖生理(下肢筋の作用)
ClaudeによるAI生成を活用した解説です
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について