第112回 看護師国家試験 午後 問27 解説
📝 問題
リンパの流れで正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ リンパは骨格筋の収縮で押し流されるため、筋運動を行うと流量は増加する。
リンパ管には心臓のようなポンプがないため、リンパの流れは主に周囲の骨格筋の収縮(筋ポンプ作用)や呼吸運動、リンパ管壁の平滑筋の収縮によって推進される。 筋運動を行うと、リンパの流量は増加する。
国試ではリンパ系の解剖・生理が問われる。リンパは末梢の組織から中枢(静脈角)へ向かって一方向に流れ(弁があり逆流を防ぐ)、下半身と左上半身のリンパは胸管に集まって左静脈角へ、右上半身のリンパは右リンパ本幹を経て右静脈角へ流入する。胸管を流れる量は1日約2〜4L程度であり10Lではない。誤選択肢はこれらの流量・流入部位・流れの向きに関する基本事項に対応している。
静脈角とは
内頸静脈と鎖骨下静脈が合流する場所。リンパ管はここで静脈につながり、リンパ液が血液に戻る。
- 1
成人の胸管を流れる量は1日約10 Lである。不正解
胸管を流れるリンパ量は1日およそ2〜4L程度であり、約10Lではない。
- 2
右上半身のリンパは胸管に流入する。不正解
右上半身のリンパは右リンパ本幹を経て右静脈角に入り、胸管に流入するのは下半身と左上半身である。
- 3
中枢から末梢への一方向に流れる。不正解
リンパは末梢から中枢(静脈角)へ一方向に流れるのであり、中枢から末梢への流れではない。
- 4
筋運動を行うと流量は増加する。正解
リンパは骨格筋の収縮(筋ポンプ)で推進されるため、筋運動を行うと流量が増加する。
📚 国試でよく狙われるところ
リンパは、流れる向き・胸管に集まる範囲・流れを生む力を入れ替えて問われる。ここから乳癌術後の看護にもつながるので、解剖と看護をセットで覚えよう。
- リンパ管には弁があり逆流を防ぐ。推進力は骨格筋の収縮(筋ポンプ)・呼吸運動・リンパ管壁の自動収縮。
- 胸管の起始部は乳び槽で、小腸で吸収された脂肪(乳び)を運ぶ。
- 乳癌術後の腋窩リンパ節郭清では患側上肢にリンパ浮腫が生じやすく、患側での採血・血圧測定・駆血は避け、反対側の腕で行う。
| 領域 | 経路 | 流入先 |
|---|---|---|
| 下半身と左上半身(全体の約3/4) | 胸管 | 左静脈角 |
| 右上半身(右頭頸部・右上肢・右胸部) | 右リンパ本幹 | 右静脈角 |
参考: 標準的な解剖生理学(リンパ系)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について