第111回 看護師国家試験 午後 問48 解説
📝 問題
下腿の介達牽引を受けている患者が足背のしびれを訴えている。 看護師が確認すべき項目で優先度が高いのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 足背のしびれには下肢の肢位の確認を最優先する。
下腿の介達牽引中に足背のしびれが出たときは、膝の外側で皮膚のすぐ下を通る総腓骨神経が圧迫された腓骨神経麻痺を疑う。 神経の麻痺は放置すると足首を持ち上げられなくなる(下垂足)など、元に戻らない障害を残す。 まず下肢の肢位を見て、外旋位になって腓骨頭が圧迫されていないかを確かめ、圧迫を取り除くことが最優先になる。
他の選択肢も牽引では確認する項目だが、しびれへの対応としては後になる。牽引の方向と重錘の重さは牽引の効き方に関わるもので、神経症状への手当てが先である。 弾性包帯のずれも循環障害・神経障害の原因になりうるが、まず神経を圧迫している肢位を確かめる。
介達牽引とは
皮膚を介して引くため、かけられる重さは限られ、皮膚のかぶれや神経の圧迫が起こりやすい牽引法。
総腓骨神経とは
膝の外側にある骨の出っぱり(腓骨頭)のすぐ下を通る神経。皮膚のすぐ下を走るため圧迫に弱い。
- 1
下肢の肢位正解
足背のしびれは腓骨頭部での総腓骨神経圧迫が疑われ、肢位を確認し除圧するのが最優先。
- 2
牽引の方向不正解
牽引方向の確認も必要だが、神経症状への即時対応としては肢位確認が優先。
- 3
重錘の重さ不正解
重錘の重さは牽引効果に関わるが、しびれへの初期対応の優先度は低い。
- 4
弾性包帯のずれ不正解
弾性包帯のずれも一因となりうるが、まず神経圧迫の原因となる肢位を確認する。
📚 ここも一緒におさえておこう
下垂足になると足先が垂れて、歩くときにつまずきやすくなる。 早いうちに圧迫を取り除けば回復が期待できるため、しびれの訴えは緊急のサインとして扱う。
- 牽引中の観察は5P(疼痛・蒼白・脈拍消失・知覚異常・運動麻痺)を基本に、末梢の循環・知覚・運動を定期的に確認する。
- 介達牽引は絆創膏や包帯で皮膚を介して牽引する方法(スピードトラック牽引など)、直達牽引は骨に鋼線を刺入して直接牽引する方法。
- 腓骨神経麻痺の予防=下肢を外旋位にせず中間位(つま先を上に向けた位置)に保ち、腓骨頭部を圧迫しない(ギプス・弾性ストッキング・下肢に入れるクッションにも注意)。
- 牽引は重錘を床につけない・手で支えない、牽引の方向と対抗牽引が働く体位を保つことが原則。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について