第111回 看護師国家試験 午前 問89 解説
📝 問題
自閉症スペクトラム障害にみられるのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
4・5
💡 解説
✅ 自閉症スペクトラム障害では習慣へのこだわりと非言語的コミュニケーションの障害がみられる
自閉症スペクトラム障害(ASD)の中核症状は2つある。人とのやりとりの障害と、限定された反復的な行動(同じ手順や習慣への強いこだわり)である。 表情や視線などを使う非言語的コミュニケーションの障害は前者にあたり、習慣へのかたくななこだわりは後者にあたる。
ほかの選択肢は別の障害の特徴である。運動性チックはチック症、計算の習得困難は限局性学習症、不注意による間違いが多いのは注意欠如・多動症(ADHD)でみられる。
非言語的コミュニケーションとは
言葉以外でやりとりする方法。表情・視線・身ぶり・声の調子などで、ASDではこれを読み取ったり使ったりするのが苦手になる。
運動性チックとは
自分の意思とは関係なく、まばたきや首振りなどの素早い動きが繰り返し出るもの。声が出るものは音声チックという。
- 1
運動性チックが出現する。不正解
運動性チックはチック症(トゥレット症候群など)の特徴であり、ASDの中核症状ではない。
- 2
計算の習得が困難である。不正解
計算の習得困難は限局性学習症(算数障害)の特徴である。
- 3
不注意による間違いが多い。不正解
不注意による間違いが多いのは注意欠如・多動症(ADHD)の特徴である。
- 4
習慣へのかたくななこだわりがある。正解
習慣へのかたくななこだわりはASDの限定的・反復的な行動様式に該当する。
- 5
非言語的コミュニケーションの障害がある。正解
非言語的コミュニケーションの障害はASDの社会的コミュニケーションの障害に該当する。
📚 混同しやすいので注意
発達障害は、それぞれの特徴を入れ替えて「これはどれか」と問われる。しつけや本人の努力の問題ではなく脳の特性であり、特性に環境を合わせるのが支援の基本になる。
- ASDへの関わり=予定や手順を絵・写真・文字で示す、抽象的でなく具体的に伝える、急な変更は前もって予告する、感覚過敏に配慮して環境を整える。
- ADHDの3特徴=不注意・多動・衝動性。まわりの刺激を減らし、短い指示とその場での称賛が効く。
- 限局性学習症は全般的な知的発達に遅れがないのに、読み・書き・算数など特定の領域だけ習得が難しい状態。
- 発達障害者支援法に基づき、都道府県などに発達障害者支援センターが置かれている。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について