第110回 看護師国家試験 午後 問43 解説

一般成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

現在の日本の終末期医療において、患者の将来の自己決定能力の低下に備えて、患者・家族と医療者が今後の治療・療養についての気がかりや価値観を定期的に話し合って共有し、患者の意向に沿った医療を提供することが望ましいとされている。この内容を示すのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ この内容はアドバンス・ケア・プランニング(ACP)。

アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は、将来の意思決定能力の低下に備え、患者・家族と医療者が今後の治療・療養やケアについての価値観や意向を繰り返し話し合い共有していく過程を指す。「人生会議」とも呼ばれ、患者の意向に沿った医療の実現を目指す。設問の記述はこの定義に一致する。

グリーフケアは死別後の悲嘆へのケア、代理意思決定の支援は本人に代わって決定する人を支える関わり、アドバンスディレクティブ(事前指示)は延命治療の希望などを事前に書面等で表明しておくもので、話し合いのプロセス全体を指すACPとは概念が異なる。

代理意思決定とは

本人が自分で決められなくなったときに、家族などが本人の意思を推し量って代わりに決めること。あらかじめ話し合っておくと、決める側の負担が減る。

  • 1

    グリーフケア不正解

    グリーフケアは死別後の悲嘆へのケアで別概念。

  • 2

    代理意思決定の支援不正解

    代理意思決定支援は本人に代わり決定する人への支援。

  • 3

    アドバンス・ケア・プランニング正解

    繰り返し価値観を話し合い共有する過程はACPの定義に一致する。

  • 4

    アドバンスディレクティブ〈事前指示〉の支援不正解

    事前指示は希望を事前表明する文書等で、話し合いの過程全体を指すACPとは異なる。

📚 混同しやすいので注意

アドバンス・ケア・プランニングは、事前指示や代理意思決定の支援と紛らわしい。「ACPは話し合いの過程、事前指示はその結果として残す書面」と押さえておけば、選択肢を切り分けられる。

  • アドバンスディレクティブ〈事前指示〉=将来の医療について本人があらかじめ表明したもの。リビングウィル(治療内容の希望)と代理人の指定からなる。
  • 本人の意思は変わりうるため、ACPは繰り返し行い、そのつど内容を記録して関係者と共有する。
  • 本人の意思が確認できない場合は、家族らが本人の推定意思を尊重して医療・ケアチームと話し合う。
  • グリーフケアは死別後の遺族の悲嘆へのケアで、ACPとは別の概念。

出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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