第110回 看護師国家試験 午前 問73 解説
📝 問題
A さん(52歳、男性)は、49歳から高血圧症で内服治療と食事や運動に関する生活指導を受けている。2か月間の予定で開発途上国に出張することになり、予防接種を受ける目的で渡航外来を受診した。A さんから「渡航にあたって何か注意することはありますか」と質問があった。A さんへの看護師の説明で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 持参する高血圧症の薬についてかかりつけ医に相談するよう説明するのが適切である
Aさんは高血圧症で内服治療中であり、2か月間開発途上国に出張する。長期の海外滞在では、内服薬を十分量持参する必要があり、現地での入手の可否、時差による服用時間、他の予防内服薬(マラリア予防薬など)との相互作用も考慮しなければならない。 持参する薬についてかかりつけ医に相談するよう促す説明が適切である。
他の選択肢は不適切である。出張中も高血圧の管理として減塩は継続すべきで、「減塩の必要はない」は誤りである。有酸素運動は高血圧の生活指導の一環であり控える必要はなく、むしろ適度な運動継続が望ましい。現地到着後の健康診断ではなく、渡航前に健康状態を確認・準備しておくことが重要である。
国試では渡航者(旅行者)の健康管理・慢性疾患をもつ人の海外渡航支援が問われる。「持病の薬は十分量を持参し、事前にかかりつけ医と相談する」「渡航前の予防接種・健康評価」が基本の考え方である。
マラリア予防薬とは
流行地に滞在するあいだ、マラリアの発症を防ぐために飲み続ける薬。現地に着く前から飲み始める。
- 1
「出張中は、減塩の必要はありません」不正解
出張中も高血圧管理として減塩は継続すべきで、減塩不要は誤りである。
- 2
「出張先では有酸素運動は控えましょう」不正解
有酸素運動は高血圧の生活指導の一環であり、控える必要はなく継続が望ましい。
- 3
「現地に到着してから健康診断を受診しましょう」不正解
健康状態の確認は渡航後ではなく渡航前に行い、準備を整えておくべきである。
- 4
「持参する高血圧症の薬について、かかりつけ医に相談しましょう」正解
長期滞在に備え、持参する薬について量・服用時間・相互作用をかかりつけ医に相談するのが適切である。
📚 国試でよく狙われるところ
海外渡航の問題は、渡航前の準備・現地での注意・帰国後の対応に分けて問われる。どの時期の話かを見分けて覚えよう。 渡航前は予防接種と持病の管理を計画的に行う。ワクチンは効果が現れるまでに時間がかかるため、出発の4〜6週間前までに渡航外来を受診するのが望ましい。
- 途上国渡航で検討する予防接種=A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病、腸チフス、日本脳炎、髄膜炎菌など
- 黄熱は入国時に予防接種証明書(イエローカード)を求められる国がある
- マラリア=蚊対策(長袖・虫よけ・蚊帳)が基本で、流行地では予防内服を検討する
- 旅行者下痢症=生水・氷・生野菜・加熱不十分な食品を避ける
- 慢性疾患のある人は十分量の薬を手荷物で携行し、英文の薬剤情報や診断書を用意する
- 帰国後の発熱・下痢は、渡航歴を伝えて受診する
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について