第110回 看護師国家試験 午前 問57 解説
📝 問題
更年期女性のホルモン補充療法によってリスクが低くなるのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ ホルモン補充療法で骨粗鬆症のリスクが低くなる。
更年期には卵巣機能の低下によりエストロゲンが減少する。エストロゲンには骨吸収を抑制し骨量を保つ作用があるため、その減少は骨粗鬆症のリスクを高める。 ホルモン補充療法(HRT〈エイチアールティー〉)でエストロゲンを補うと骨量減少が抑えられ、骨粗鬆症のリスクは低くなる。
他の選択肢は、HRTでリスクが高くなる側である。 エストロゲンは乳癌のリスクをやや高めうるとされ、エストロゲン単独投与は子宮体癌のリスクを高めるため子宮のある女性では黄体ホルモンを併用する。 また血液凝固に影響し静脈血栓症のリスクを高める。
HRTの利点(更年期症状の改善・骨粗鬆症予防)とリスク(乳癌・子宮体癌・静脈血栓症など)を整理して覚えるとよい。
骨吸収とは
古くなった骨が壊されて血液中に溶け出すこと。骨をつくる骨形成とつり合っているあいだは骨量が保たれる。
エストロゲンとは
卵巣から分泌される女性ホルモン。子宮内膜を厚くするほか、血管や皮膚のうるおいを保つ働きももつ。
- 1
乳癌不正解
HRTは乳癌のリスクをやや高めうるとされ、低下させるものではない。
- 2
骨粗鬆症正解
エストロゲン補充により骨量減少が抑えられ、骨粗鬆症のリスクが低下する。
- 3
子宮体癌不正解
エストロゲン単独投与は子宮体癌のリスクを高めるため、低下しない。
- 4
静脈血栓症不正解
HRTは血液凝固に影響し、静脈血栓症のリスクを高める。
📚 国試でよく狙われるところ
更年期は、症状・エストロゲン低下で高まるリスク・ホルモン補充療法の禁忌がまとめて問われる。エストロゲンが減るとどうなるかを軸に、この3つをつないで覚えよう。 更年期は閉経の前後5年、およそ45〜55歳の時期をいう。閉経は12か月以上の無月経で確認され、日本人の平均は50歳前後である。
- 更年期症状はホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)・発汗・動悸・不眠・抑うつ・易疲労など多彩で、日常生活に支障をきたす場合を更年期障害という。
- エストロゲン低下により骨量減少(骨粗鬆症)、LDLコレステロールの上昇、動脈硬化のリスクが高まる。
- HRTの主な禁忌は乳癌や子宮内膜癌の既往、血栓症の既往、重症肝障害、原因不明の性器出血。子宮のある女性には黄体ホルモンを併用する。
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について