第110回 看護師国家試験 午前 問16 解説
📝 問題
緩和ケアの説明で適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 緩和ケアは家族もケアの対象である。
世界保健機関(WHO〈ダブリューエイチオー〉)の定義によれば、緩和ケアは生命を脅かす疾患に直面する患者とその家族の、身体的・心理社会的・スピリチュアルな苦痛を予防・緩和し、生活の質(QOL〈キューオーエル〉)を改善するアプローチである。 「家族もケアの対象である」が正しい。
他の選択肢は誤りである。緩和ケアは入院に限らず外来・在宅でも提供される(入院が原則ではない)。創の治癒など根治を目的とするのではなく苦痛の緩和とQOL向上が目的である。また終末期に限らず診断早期から通常の治療と並行して開始でき、意識混濁時からではない。 「早期から」「家族も対象」「場所を問わない」が国試頻出のポイントである。
スピリチュアルな苦痛とは
「なぜ自分が」「生きている意味がない」といった、自分の存在や人生の意味が揺らぐことから生じるつらさ。痛み止めでは和らがない。
- 1
入院が原則である。不正解
緩和ケアは外来・在宅でも行われ、入院が原則ではない。
- 2
家族もケアの対象である。正解
患者だけでなく家族もケアの対象である。
- 3
創の治癒を目的としている。不正解
創の治癒(根治)ではなく苦痛緩和とQOL向上が目的である。
- 4
患者の意識が混濁した時点から開始する。不正解
診断早期から開始でき、意識混濁時からではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
緩和ケアは、対象・時期・場所のどれかを狭めた選択肢が誤りになりやすい。狭める言葉が出てきたら疑おう。 WHOの緩和ケアの定義(2002年)では、緩和ケアは疾患の早期から、根治を目指す治療と並行して提供されるものとされる。 対象は患者とその家族であり、死別後の遺族ケア(グリーフケア)も含まれる。
- 苦痛は身体的・精神的・社会的・スピリチュアルの4側面からなる全人的苦痛(トータルペイン)として捉える。
- 提供の場は緩和ケア病棟(ホスピス)・一般病棟の緩和ケアチーム・外来・在宅と多様である。
- 対象疾患はがんに限らず、心不全などの非がん疾患にも広がっている。
参考: 世界保健機関(WHO)緩和ケアの定義
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について