第110回 看護師国家試験 午前 問17 解説
📝 問題
カルシウム拮抗薬の血中濃度を上げる食品はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ カルシウム拮抗薬の血中濃度を上げる食品はグレープフルーツである。
グレープフルーツ(ジュース)に含まれる成分は、肝臓・小腸の薬物代謝酵素であるCYP3A4の働きを阻害する。カルシウム拮抗薬はこの酵素で代謝されるため、グレープフルーツを摂取すると代謝が抑えられ血中濃度が上昇し、降圧作用の増強や副作用(過度の血圧低下など)を招くおそれがある。
他の選択肢はカルシウム拮抗薬との相互作用に該当しない。牛乳はテトラサイクリン系・ニューキノロン系抗菌薬とキレートを形成し吸収を低下させる。納豆・ブロッコリーはビタミンKを多く含みワルファリンの作用を減弱させる。
CYP3A4〈シップスリーエーフォー〉とは
多くの薬の分解を一手に引き受けている酵素。ひとつの食品がこれを邪魔すると、関係の無さそうな薬まで効きすぎることがある。
カルシウム拮抗薬とは
血管の筋肉が縮むのを抑えて血管を広げ、血圧を下げる薬。高血圧や狭心症に使われる。
- 1
牛乳不正解
牛乳は一部の抗菌薬の吸収を妨げるが、カルシウム拮抗薬の血中濃度は上げない。
- 2
納豆不正解
納豆はビタミンKが多くワルファリンの作用を減弱させる食品である。
- 3
ブロッコリー不正解
ブロッコリーもビタミンKを多く含み、関連するのはワルファリンである。
- 4
グレープフルーツ正解
グレープフルーツはCYP3A4を阻害しカルシウム拮抗薬の血中濃度を上げる。
📚 これとセットで理解しよう
問われるのは組み合わせそのもの。食品名を見たら薬品名が出てくるまで対にしておこう。 CYP3A4は多くの薬物を代謝する酵素で、阻害されると薬の血中濃度が上がり、誘導されると下がる。 相互作用は「どちらに振れるか」で覚える。
| 食品など | 機序 | 影響を受ける薬 |
|---|---|---|
| グレープフルーツ(ジュース) | CYP3A4阻害 | カルシウム拮抗薬・一部の免疫抑制薬などの血中濃度上昇 |
| 納豆・青汁・クロレラ・緑黄色野菜 | ビタミンKの補給 | ワルファリンの作用減弱 |
| 牛乳・乳製品 | カルシウムとキレート形成 | テトラサイクリン系・ニューキノロン系抗菌薬の吸収低下 |
| アルコール | 中枢抑制の増強・代謝への影響 | 睡眠薬・抗不安薬の作用増強 |
| セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ) | CYP3A4誘導 | 多くの薬の血中濃度低下 |
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について