第109回 看護師国家試験 午後 問96 解説
📝 問題
次の文を読み94〜96の問いに答えよ。 A さん(56歳、女性、会社員)は総胆管結石で、緊急内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)に続いて内視鏡的経鼻胆管ドレナージ(ENBD)が留置された。入院時に採取した血液培養からは大腸菌(E. coli)が検出されたが、抗菌薬治療と ENBD により解熱している。入院後2日、A さんは右季肋部の違和感を訴えた。バイタルサインは正常である。 この時の看護師の対応で正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
3・4
💡 解説
✅ ENBD留置後の違和感には、チューブの固定位置の確認と排液量の確認を行う。
内視鏡的経鼻胆管ドレナージ(ENBD)は、鼻から胆管へチューブを入れて胆汁を体外へ導く方法である。 右季肋部の違和感を訴え、バイタルサインは正常という場面では、まずドレナージがきちんと効いているかを確かめる。 確かめるのは、チューブの固定位置がずれていないかと、排液量が保たれているかの2点である。 排液の減少や停止は、チューブの閉塞や抜けかけを疑う手がかりになる。
チューブをクランプすると胆汁の排出が止まり、胆管炎が再燃する危険がある。 空気の注入は胆道内圧を上げ、逆行性感染を招くため行わない。 アルコール綿での消毒は、違和感の原因を確かめることにはならない。
クランプとは
チューブを鉗子などではさんで、中の流れを一時的に止めること。
- 1
ドレナージチューブをクランプする。不正解
クランプすると胆汁排出が止まり胆管炎再燃の危険がある。ドレナージ目的に反する。
- 2
ドレナージチューブから空気を注入する。不正解
空気注入は胆道内圧上昇・逆行性感染を招き禁忌。
- 3
ドレナージチューブの固定位置を確認する。正解
固定位置を確認すると、チューブの逸脱や位置ずれに気づける。適切。
- 4
ドレナージチューブからの排液量を確認する。正解
排液量を確認すると、閉塞や逸脱によるドレナージ不良を早く見つけられる。適切。
- 5
ドレナージチューブをアルコール綿で消毒する。不正解
アルコール綿での消毒は違和感の原因評価にならず、優先的対応ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
ドレーンの問題は、正常な排液を知っていれば異常に気づける、という形で問われる。量・色・固定の3つを順に確かめると覚えよう。
- 胆汁の分泌量は1日約600〜800 mL
- ENBDの排液は通常黄褐色で、急な減少や停止は閉塞やチューブの抜けかけを疑う
- 排液が血性・膿性に変わったり、腹痛・発熱が出たりしたら医師に報告する
- チューブは鼻翼と頬の2か所で固定し、外鼻孔の圧迫壊死と引っぱられる力を避ける
- 排液バッグは胆管より低い位置に保ち、胆汁の逆流を防ぐ
- ENBDは胆汁を体外へ導くため、排液の性状と量を直接観察できる。体内に留置するステントではこれができない
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について