第109回 看護師国家試験 午前 問44 解説
📝 問題
肝動脈塞栓術(TAE)の適応となる疾患はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 肝動脈塞栓術(TAE)は肝細胞癌(HCC)の治療に用いる。
肝動脈塞栓術(TAE〈ティーエーイー〉)は、肝細胞癌を栄養する肝動脈を人工的に塞栓し、腫瘍への血流を止めて壊死させる治療である。 肝細胞癌に流れ込む血液は主に肝動脈から来るため、この方法が効く。
脂肪肝は生活習慣の改善が中心で、塞栓術の対象ではない。 急性A型肝炎は自然に治る感染症である。 アメーバ性肝膿瘍は抗原虫薬(メトロニダゾール)やドレナージで治療する。
肝動脈塞栓術は手術ができない場合や多発例にも行えるが、肝機能が落ちている人では適応を慎重に判断する。
- 1
脂肪肝不正解
脂肪肝は生活習慣の是正が中心でTAEの適応ではない。
- 2
急性A型肝炎不正解
急性A型肝炎は自然治癒する感染症で塞栓術の対象ではない。
- 3
肝細胞癌(HCC)正解
肝細胞癌は肝動脈から栄養されるため、TAEで腫瘍を壊死させられる。
- 4
アメーバ性肝膿瘍不正解
アメーバ性肝膿瘍は抗原虫薬やドレナージで治療する。
📚 ここも一緒におさえておこう
肝細胞癌は、背景にある病気と治療の選び方が問われる。腫瘍の数や大きさと、肝臓の余力の2つで治療が決まると覚えよう。
- 肝細胞癌の背景の多くはB型・C型慢性肝炎や肝硬変で、定期的な画像検査と腫瘍マーカーで早期発見を図る
- 肝細胞癌の腫瘍マーカーはAFP(α-フェトプロテイン)とPIVKA-IIである
- 治療は腫瘍の数・大きさと、Child-Pugh(チャイルド・ピュー)分類で評価する肝予備能をみて選ぶ
- 治療法には肝切除・ラジオ波焼灼療法(RFA)・肝動脈化学塞栓療法(TACE)・薬物療法などがある
- TAE・TACEのあとは塞栓後症候群(発熱・腹痛・悪心・肝機能値の上昇)が数日みられることが多い
- 肝硬変が進むと腹水・食道静脈瘤・肝性脳症などの合併症が現れる
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について