第109回 看護師国家試験 午前 問119 解説

状況設定成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

脂質異常症と高血圧症で通院中の A さん(75歳、女性)は、右足の運動障害と構音障害を認めた。検査の結果、A さんは左脳の運動野に脳梗塞を発症していることが分かった。A さんは3週間の入院治療を経て転院し、2か月間のリハビリテーションを行うことになった。 転院先の医療機関に提供する情報で最も優先するのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 転院先へ最も優先して提供する情報は診療情報提供書である。

医療機関から別の医療機関へ患者を紹介・転院させるときは、これまでの診断・治療経過・現在の状態と注意点をまとめた診療情報提供書(紹介状)を渡す。 転院先がリハビリテーションを安全に続けるには、この医学的な情報の引き継ぎが欠かせない。

他の4つは、医療の継続に直接かかわらない。要介護認定の申請書と身体障害者手帳の申請書は、介護保険や福祉制度を使うための手続き書類である。 医療相談員の相談記録は、生活面の支援を考えるときに役立つ。 車椅子の機種は、転院先で改めて評価して選び直す情報である。

  • 1

    診療情報提供書正解

    診断・治療経過・現状をまとめた診療情報提供書は、医療とリハビリの継続に不可欠で最優先。

  • 2

    要介護認定の申請書不正解

    要介護認定の申請書は介護保険手続きの書類で、転院先にまず提供すべき情報ではない。

  • 3

    医療相談員の相談記録不正解

    医療相談員の相談記録は参考にはなるが、医療継続に不可欠な最優先情報ではない。

  • 4

    使用中の車椅子の機種不正解

    車椅子の機種は療養環境の一情報にすぎず、優先度は低い。

  • 5

    身体障害者手帳の申請書不正解

    身体障害者手帳の申請書は福祉制度利用の手続き書類で、転院時にまず必要な医学情報ではない。

📚 混同しやすいので注意

転院・退院時の情報提供は、書類ごとの役割を入れ替えて問われる。 医学情報は診療情報提供書、療養上の世話や日常生活動作は看護サマリー、と対にして覚えよう。

  • 回復期リハビリテーション病棟は対象疾患ごとに要件があり、脳血管疾患では発症から2か月以内に入棟し、算定上限は150日(高次脳機能障害などを伴う重症例は180日)。
  • 看護サマリーには、日常生活動作・排泄・食事・皮膚の状態・睡眠・服薬・本人と家族の理解と希望など、日々のケアに必要な情報を記載する。
  • 脳血管疾患は介護保険の特定疾病にあたり、40〜64歳でも要介護認定を申請できる。
  • 身体障害者手帳の申請は、原則として障害が固定した時点(脳血管障害ではおおむね発症から6か月経過後)に行う。
施設間の情報提供に用いる主なもの
書類主な内容
診療情報提供書(紹介状)診断名、治療経過、検査結果、投薬内容、今後の方針
看護サマリーADL、療養上の世話の内容、皮膚・排泄・食事の状況、本人と家族の理解と希望
退院時共同指導入院中に在宅側の関係者とともに行う指導。診療報酬上の評価がある

出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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