第108回 看護師国家試験 午前 問88 解説
📝 問題
糖尿病末梢神経障害による感覚障害のある患者へのフットケア指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
1・3
💡 解説
✅ 毎日両足を観察することと、靴ずれしない靴を選ぶことが適切なフットケア指導である。
糖尿病の末梢神経障害で足の感覚が鈍くなると、傷・靴ずれ・熱傷に気づけないまま悪化し、潰瘍や壊疽に進むことがある。 痛みという警報が働かないので、毎日両足を観察して異常を早く見つけること、足に合った靴ずれしない靴を選ぶことが予防の柱になる。
他の3つは、かえって足を傷つける。 熱めの湯は感覚の鈍い足に熱傷を起こすため、湯温は手や温度計で確かめてぬるめにする。 素足で過ごすと踏み抜きや打撲などの外傷が増える。 爪を足趾の先端より短く切ると深爪になり、陥入爪や傷のもとになるので、先端と同じ長さにまっすぐ切る(スクエアカット)。
陥入爪とは
爪の角が周りの皮膚に食い込んで、痛みや炎症を起こした状態。深爪や角の切り落としが原因になりやすい。
- 1
両足部を観察する。正解
両足を毎日観察すれば、痛みを感じなくても傷・水疱・発赤を早い段階で見つけられる。
- 2
熱めの湯をかけて洗う。不正解
湯温は手や温度計で確かめてぬるめにするのが正しく、熱めの湯は感覚の鈍い足に熱傷を招く。
- 3
靴ずれしない靴を選ぶ。正解
足に合った靴ずれしない靴は、皮膚の傷と、そこから始まる潰瘍を防ぐ。
- 4
なるべく素足で過ごす。不正解
屋内でも靴下や室内履きを使うのが基本で、素足で過ごすと踏み抜きや打撲などの外傷が増える。
- 5
爪は足趾の先端よりも短く切る。不正解
爪を足趾の先端より短く切ると深爪となり陥入爪や傷の原因になる。
📚 ここも一緒におさえておこう
感覚が鈍くなった足は、痛みで異常を教えてくれない。 目で見て確かめること、そして傷をつくらない環境を整えることが指導の中心になる。
- 毎日足を観察し、傷・水疱・発赤・胼胝(たこ)・鶏眼(うおのめ)・爪の変化・皮膚の色や温度を確認する(見えにくければ鏡や家族の協力を使う)
- 洗浄の湯温は38〜40℃程度とし、足の感覚ではなく手や温度計で確認する
- 爪は入浴後のやわらかいときに、先端と同じ長さでまっすぐ切る(スクエアカット)。深爪や角を落としすぎる切り方は陥入爪のもとになる
- 靴は足がむくむ夕方に選び、履く前に中の異物を確認する。素足やサンダルは避ける
- 胼胝・鶏眼・巻き爪は自分で削らず、医療者に相談する
参考: 糖尿病診療・フットケアに関する標準的看護学教科書
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について