第108回 看護師国家試験 午前 問84 解説

一般人体の構造と機能✔ 監修済み

📝 問題

アセチルコリンで収縮するのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

2・3

💡 解説

✅ アセチルコリンで収縮するのは、排尿筋と腓腹筋である。

アセチルコリンは、副交感神経の節後線維と、運動神経の終末(神経筋接合部)から出る伝達物質である。 排尿筋(膀胱の平滑筋)は副交感神経の支配を受け、アセチルコリンがムスカリン受容体に働いて収縮する。 腓腹筋は骨格筋で、運動神経の終末から出たアセチルコリンがニコチン受容体に働いて収縮する。

他の選択肢は当てはまらない。心筋に対するアセチルコリンは、心拍数や収縮力を抑える方向に働く。 立毛筋と瞳孔散大筋はどちらも交感神経の支配で、ノルアドレナリンにより収縮する。

ムスカリン受容体とは

アセチルコリンを受け取る受容体のうち、副交感神経が働きかける先にあるもの。心臓・平滑筋・腺にある。

ニコチン受容体とは

アセチルコリンを受け取る受容体のうち、骨格筋の神経筋接合部と自律神経の節にあるもの。

  • 1

    心筋不正解

    心筋に対するアセチルコリンは抑制的に働き収縮を促さない。

  • 2

    排尿筋正解

    排尿筋は副交感神経の支配を受け、アセチルコリンにより収縮する。

  • 3

    腓腹筋正解

    腓腹筋は骨格筋で、神経筋接合部に出るアセチルコリンにより収縮する。

  • 4

    立毛筋不正解

    立毛筋は交感神経支配でノルアドレナリンにより収縮するため、アセチルコリンでは該当しない。

  • 5

    瞳孔散大筋不正解

    瞳孔散大筋は交感神経支配でノルアドレナリンにより収縮するため、アセチルコリンでは該当しない。

📚 丸暗記より仕組みで覚えよう

自律神経の問題は、伝達物質と受容体を入れ替えて問われる。「どこで放出されるか」で決まると考えよう。 節前線維はすべてアセチルコリン、節後線維は副交感がアセチルコリン・交感がノルアドレナリンが原則である。

  • 瞳孔括約筋(縮瞳)は副交感神経=アセチルコリン、瞳孔散大筋(散瞳)は交感神経=ノルアドレナリンで収縮する
  • 心臓に対するアセチルコリンは、心拍数・伝導速度・収縮力を抑制する方向に働く
自律神経・運動神経の伝達物質と受容体
部位伝達物質受容体
交感神経・副交感神経の節前線維アセチルコリンニコチン受容体
副交感神経の節後線維アセチルコリンムスカリン受容体
交感神経の節後線維(大部分)ノルアドレナリンアドレナリン受容体(α・β)
交感神経の節後線維(汗腺)アセチルコリンムスカリン受容体
運動神経の神経筋接合部アセチルコリンニコチン受容体
副腎髄質節前線維の刺激でアドレナリンを血中へ分泌ニコチン受容体

参考: 人体の構造と機能(自律神経・薬理生理学)に関する標準的教科書

出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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