第108回 看護師国家試験 午前 問83 解説
📝 問題
排便反射の反射弓を構成するのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
3・5
💡 解説
✅ 排便反射の反射弓を構成するのは、骨盤神経と仙髄である。
排便反射は、直腸の壁が便で押し広げられた刺激が骨盤神経(副交感神経)を通って仙髄(S2〜S4)の排便中枢に伝わり、ふたたび骨盤神経を通って直腸の収縮と内肛門括約筋の弛緩を起こす反射である。 反射弓を構成しているのは、この骨盤神経と仙髄である。
他の選択肢は交感神経の側にある。下腸間膜神経節と腹腔神経節は交感神経のニューロンが乗り換える場所で、便をためる方向に働く。 腰髄から出るのは交感神経(下腹神経)で、便をためる側に働く。
反射弓とは
刺激を受け取ってから反応が起きるまでの、神経のひとつづきの道すじ。受容器→求心路→中枢→遠心路→効果器の順に伝わる。
- 1
下腸間膜神経節不正解
下腸間膜神経節は交感神経系の節で、排便反射の副交感性反射弓を構成しない。
- 2
腹腔神経節不正解
腹腔神経節は交感神経系の節で、排便反射弓を構成しない。
- 3
骨盤神経正解
骨盤神経は排便反射の求心路と遠心路をなす副交感神経で、反射弓を構成する。
- 4
腰髄不正解
腰髄は交感神経(下腹神経)が出るところで、排便反射の中枢ではない。
- 5
仙髄正解
仙髄には排便反射の中枢があり、反射弓を構成する。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
排便と排尿は、同じ骨盤神経・仙髄を中枢とする反射で成り立っている。「出す=副交感」「ためる=交感」「我慢する=体性神経」の3つで整理しよう。
- 胃に食物が入ると大腸の蠕動が高まる胃・結腸反射が、朝食後に便意が起こりやすい理由となる
- 仙髄より上位の脊髄損傷では、排便反射は残るが自分の意思での制御ができなくなる
- それに対し仙髄以下の損傷では、反射そのものが失われる
| 神経 | 種類(起始) | 働き |
|---|---|---|
| 骨盤神経 | 副交感神経(仙髄 S2〜S4) | 直腸・膀胱を収縮させ、内肛門括約筋・内尿道括約筋を弛緩させる(排出する方向) |
| 下腹神経 | 交感神経(腰髄 L1〜L2) | 直腸・膀胱を弛緩させ、内括約筋を収縮させる(ためる方向) |
| 陰部神経 | 体性神経(仙髄 S2〜S4) | 外肛門括約筋・外尿道括約筋を随意的に収縮させる(我慢する) |
参考: 人体の構造と機能(神経生理学)に関する標準的教科書
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について