第108回 看護師国家試験 午前 問57 解説

一般老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

Aさん(90歳、男性)は、脳梗塞による軽度の左半身麻痺がある。要介護2。最近、娘(65歳)とその家族と同居を始めた。Aさんの受診に付き添ってきた娘が看護師に「同居を始めてから疲れます」と話した。 この時の娘に対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 介護負担を訴える娘には、まず同居後に家族の生活がどのように変化したかを聞き、状況を具体的に把握するのが最も適切である。

介護者が疲れを訴えたときは、まず傾聴し、生活の変化や負担の具体的な内容を把握することが支援の出発点になる。 同居後に何がどう変わったのかを聞けば、負担の要因と必要な社会資源が見えてくる。

他の3つは、状況を把握する前の対応として早すぎる。 いきなり心療内科の受診を勧めるのは早計である。幼少期の親子関係を問うことは、今の負担の軽減に直結しない。施設入所は、本人と家族の意向を確かめてから話し合う。

  • 1

    心療内科の受診を勧める。不正解

    この段階で心療内科受診を勧めるのは性急で、まず状況把握を優先すべきである。

  • 2

    娘の幼少期の親子関係を聞く。不正解

    幼少期の親子関係を聞くことは現在の介護負担の軽減に直結せず、最も適切とはいえない。

  • 3

    Aさんの介護老人保健施設への入所を勧める。不正解

    本人・家族の意向を確認する前に施設入所を勧めるのは不適切である。

  • 4

    同居後に家族の生活がどのように変化したかを聞く。正解

    同居後の生活の変化を聞き、負担の具体を把握することが支援の第一歩として最も適切である。

📚 ここも一緒におさえておこう

介護者(家族)は「第二の患者」ともいわれる。 まず思いを受けとめ、負担の内容を具体的に把握したうえで社会資源につなぐ、という流れが基本になる。

  • レスパイトケアとして、短期入所生活介護(ショートステイ)や通所介護(デイサービス)を活用できる。
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)や地域包括支援センターにつなぎ、ケアプランの見直しを図る。
  • 高齢者虐待は介護負担の増大を背景に生じることがあり、身体的・心理的・性的虐待、ネグレクト、経済的虐待の5類型がある。
  • 家族会などピアサポートの紹介も、介護者の孤立を防ぐうえで有効である。

参考: 系統看護学講座 老年看護(家族・介護者への支援)/介護者支援とレスパイトケア

出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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