第108回 看護師国家試験 午前 問56 解説

一般老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

軽度の老人性難聴の特徴はどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 老人性難聴は高音域から障害される感音難聴で、高い周波数成分をもつ子音が母音より聞き分けにくくなる。

加齢性(老人性)難聴は、内耳の有毛細胞が変性して起こる感音難聴で、高音域から聴力が下がるのが特徴である。 子音は高い周波数の成分を多く含むため母音より聞き取りにくくなり、「言葉は聞こえるのに内容が聞き分けられない」という語音明瞭度の低下が生じる。

他の3つは、加齢性難聴の特徴として誤っている。 ゆっくり明瞭に話すとむしろ聞き取りやすくなる。低音ではなく高音のほうが聞き取りにくい。イントネーションの理解障害は本症の特徴ではない。

話しかけるときは正面から・ゆっくり・低めの声でを基本にし、大声で怒鳴らない。

  • 1

    ゆっくり話すと聞き取りにくい。不正解

    ゆっくり話すと、むしろ聞き取りやすくなる。

  • 2

    母音よりも子音が聞き分けにくい。正解

    高音成分の多い子音が母音より聞き分けにくくなるのが老人性難聴の特徴である。

  • 3

    高音よりも低音が聞き取りにくい。不正解

    老人性難聴は高音から障害されるため、聞き取りにくくなるのは低音ではなく高音である。

  • 4

    イントネーションが理解しにくい。不正解

    イントネーションの理解障害は老人性難聴の特徴ではなく、特徴となるのは高音域の子音の聞き分けにくさである。

📚 混同しやすいので注意

難聴は、伝音難聴と感音難聴のどちらかを入れ替えて問われる。障害される場所と聞こえ方を対にして覚えよう。 加齢性(老人性)難聴は、両耳とも同じように高音域から進む感音難聴である。

  • 加齢性難聴では、高い周波数成分をもつ子音が母音より聞き分けにくくなる。
  • 補聴器は装用に慣れが必要で、静かな環境から段階的に使用する。
  • 難聴はコミュニケーションの障害から社会的孤立や抑うつにつながりうるため、早期の対応が重要である。
伝音難聴と感音難聴
項目伝音難聴感音難聴
障害部位外耳・中耳内耳・蝸牛神経・中枢
代表疾患耳垢塞栓、中耳炎、耳硬化症加齢性難聴、突発性難聴、Ménière(メニエール)病、騒音性難聴、聴神経腫瘍
聞こえ方音が小さく聞こえる(増幅で改善しやすい)音は聞こえるが言葉が聞き分けにくい
Rinne(リンネ)試験陰性(骨導が気導より長い)陽性(気導が骨導より長い)
Weber(ウェーバー)試験患側に偏位健側に偏位

参考: 系統看護学講座 老年看護(加齢に伴う感覚機能の変化)/耳鼻咽喉科学(老人性難聴)

出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

この問題をアプリで演習しませんか?

この1問を演習する(無料)第108回の問題一覧を見る