第108回 看護師国家試験 午前 問58 解説
📝 問題
Aさん(75歳、女性)は、腰部脊柱管狭窄症と診断されており、要介護1、障害高齢者の日常生活自立度判定基準A-1である。 Aさんが介護保険による貸与を受けられる福祉用具はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 要介護1のAさんが介護保険で貸与を受けられるのは、軽度者でも対象になる歩行器である。
介護保険の福祉用具貸与では、歩行器や歩行補助杖、手すり、スロープは軽度者(要支援1〜要介護1)でも借りられる。 Aさんは要介護1なので、このうちの歩行器が貸与の対象になる。
他の3つは、Aさんの条件では借りられない。 車椅子・特殊寝台(電動ベッド)の貸与は要介護2以上が原則である。入浴用椅子(シャワーチェア)は他の人と使い回すのに向かないため特定福祉用具販売(購入)の対象で、そもそも貸与ではない。
- 1
車椅子不正解
車椅子は原則要介護2以上が貸与対象で、要介護1の軽度者には原則給付されない。
- 2
歩行器正解
歩行器は軽度者でも貸与を受けられる品目で、要介護1のAさんが利用できる。
- 3
電動ベッド不正解
電動ベッド(特殊寝台)は原則要介護2以上が対象で、要介護1では原則給付されない。
- 4
入浴用椅子不正解
入浴用椅子は特定福祉用具販売(購入)の対象で、貸与ではない。
📚 混同しやすいので注意
福祉用具は、「貸与(レンタル)」と「特定福祉用具販売(購入)」のどちらかを入れ替えて問われる。品目と区分を対にして覚えよう。 貸与のなかには、軽度者(要支援1〜要介護1)には原則給付されない品目もある。
- 特定福祉用具販売は同一年度で10万円が上限で、原則としていったん全額を支払い、後から払い戻しを受ける。
- 住宅改修費は1住宅につき20万円が上限で、手すりの取付け・段差の解消・扉や便器の取替えなどが対象となる。
- 軽度者でも、状態像によっては例外的に貸与が認められる場合がある。
- 2024年(令和6年)4月から、固定用スロープ・歩行器(歩行車を除く)・単点杖(松葉づえを除く)・多点杖の4品目は、貸与と販売のどちらかを選ぶ選択制になった。
| 区分 | 主な品目 |
|---|---|
| 貸与(原則要介護2以上) | 車椅子・付属品、特殊寝台・付属品、床ずれ防止用具、体位変換器、認知症老人徘徊感知機器、移動用リフト(つり具を除く)、自動排泄処理装置(要介護4以上) |
| 貸与(軽度者も利用可) | 手すり(工事を伴わないもの)、スロープ、歩行器、歩行補助杖、自動排泄処理装置の一部 |
| 特定福祉用具販売(購入) | 腰掛便座、入浴補助用具(入浴用椅子・浴槽内椅子・浴槽用手すり等)、簡易浴槽、移動用リフトのつり具、自動排泄処理装置の交換可能部品 |
参考: 厚生労働省 介護保険(福祉用具貸与・特定福祉用具販売)/福祉用具貸与の対象品目と軽度者の取扱い
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について