第108回 看護師国家試験 午前 問55 解説

一般老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

Aさん(80歳、男性)は、空腹時の胃の痛みが2週間続くため受診し、1週後に胃内視鏡検査を受けることになった。 検査を受けるAさんへの看護で適切なのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 上部消化管内視鏡では抗コリン薬を使うことがあり、前立腺肥大症があると尿閉を招くため、検査前にその既往を確認する。

上部消化管内視鏡検査では、消化管の蠕動を抑える目的で抗コリン薬(ブチルスコポラミンなど)を使うことがある。 抗コリン薬は前立腺肥大症で尿閉を、緑内障で眼圧上昇を起こすおそれがあるため、これらの既往の確認が重要になる。

他の3つは、上部内視鏡の手順として誤っている。 検査前日夜の下剤は下部消化管検査の前処置で、上部内視鏡では不要である。検査中の体位は左側臥位が基本で、仰臥位ではない。検査後は咽頭麻酔の影響が残るあいだ、誤嚥を防ぐため一定時間絶飲食とする。

抗コリン薬とは

副交感神経のはたらきを抑える薬。消化管の動きを止める一方で、眼圧の上昇や尿閉を起こすことがある。

  • 1

    検査前日の夜に下剤を服用することを伝える。不正解

    検査前日夜の下剤服用は下部消化管検査の前処置であり、上部内視鏡では不要である。

  • 2

    検査前に前立腺肥大症の既往の有無を確認する。正解

    抗コリン薬の使用で尿閉を招く前立腺肥大症の既往を確認することは重要で、適切である。

  • 3

    検査中は仰臥位の姿勢を保持する。不正解

    上部内視鏡は左側臥位で行うのが基本で、仰臥位はとらない。

  • 4

    検査後はすぐに食事ができることを説明する。不正解

    検査後は咽頭麻酔がとれ誤嚥の危険がなくなるまで飲食を控えるため、すぐには食事できない。

📚 国試でよく狙われるところ

上部消化管内視鏡は、前処置・体位・使う薬の禁忌を入れ替えて問われる。手順と薬の注意を1組にして覚えよう。 前処置では消泡剤の内服と咽頭麻酔を行い、必要に応じて鎮痙薬(抗コリン薬)や鎮静薬を用いる。

  • 前日の夕食以降は絶食、当日は絶飲食とする(内服薬は指示に従う)。
  • 体位は左側臥位とし、唾液は飲み込まず口の外へ流すよう説明する。
  • 抗コリン薬の禁忌は緑内障・前立腺肥大症・重篤な心疾患・麻痺性イレウス。代わりにグルカゴンが用いられることがある。
  • 検査後は咽頭麻酔の効果が消失するまで(約1時間)絶飲食とし、まず少量の水で誤嚥がないか確認する。
  • 生検を行った場合は、当日の飲酒・熱い食事・激しい運動を控えるよう指導する。

参考: 系統看護学講座 内視鏡検査を受ける患者の看護/抗コリン薬(ブチルスコポラミン)の禁忌

出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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