第107回 看護師国家試験 午後 問74 解説
📝 問題
過換気でみられるのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 過換気でみられるのは体循環系の血管の収縮である。
過換気では二酸化炭素の排出が過剰となり、血中二酸化炭素分圧(PaCO2)が低下して呼吸性アルカローシスを生じる。低炭酸ガス血症は血管を収縮させる作用があり、脳血管や末梢血管が収縮する。 またアルカローシスに伴いイオン化カルシウムが低下することでテタニー(骨格筋の攣縮)や手指のしびれが生じる。
国試では過換気症候群の病態として「PaCO2低下→呼吸性アルカローシス→血管収縮・低カルシウム状態→テタニー・しびれ・めまい」という一連を押さえる。 骨格筋は弛緩ではなく攣縮、酸素分圧はむしろ上昇傾向、二酸化炭素分圧は低下、代謝性ではなく呼吸性アルカローシス、という点が見分けどころである。
テタニーとは
血液中のカルシウムが働きにくくなって起こる手足のけいれん。口の周りや指先のしびれから始まることが多い。
- 1
骨格筋の弛緩不正解
過換気ではアルカローシスに伴いテタニー(骨格筋の攣縮)が起こり、弛緩ではない。
- 2
血中酸素分圧の低下不正解
過換気では肺胞換気が増えるため血中酸素分圧はむしろ上昇傾向で、低下ではない。
- 3
体循環系の血管の収縮正解
PaCO2低下(低炭酸ガス血症)により血管が収縮する。
- 4
代謝性アルカローシス不正解
過換気で生じるのは二酸化炭素排出過剰による呼吸性アルカローシスで、代謝性アルカローシスではない。
- 5
血中二酸化炭素分圧の上昇不正解
過換気では二酸化炭素が過剰に排出されるため血中二酸化炭素分圧は低下し、上昇ではない。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
過換気症候群では、アルカローシスで起こる症状と、その場での対応が問われる。酸塩基平衡の異常は、pHと主な変化の向きで呼吸性・代謝性を判断し、4つの型で整理しておく。
- 過換気症候群では手指・口周囲のしびれや、親指が手のひら側に入るトルソー徴候のテタニーがみられる
- ペーパーバッグ法は低酸素の危険があり推奨されない。ゆっくりした呼吸を促し安心させる対応が基本
| 病態 | pH | 主な変化 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| 呼吸性アシドーシス | 低下 | PaCO2上昇 | 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、換気不全、呼吸抑制 |
| 呼吸性アルカローシス | 上昇 | PaCO2低下 | 過換気症候群、過度の人工呼吸 |
| 代謝性アシドーシス | 低下 | HCO3−低下 | 糖尿病性ケトアシドーシス、腎不全、下痢 |
| 代謝性アルカローシス | 上昇 | HCO3−上昇 | 嘔吐、利尿薬 |
参考: 系統看護学講座 人体の構造と機能(解剖生理学)/標準生理学
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について