第107回 看護師国家試験 午後 問61 解説
📝 問題
精神科デイケアの目的で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 精神科デイケアの目的として最も適切なのは、集団の中で対人関係能力の向上を目指すことである。
精神科デイケアは、精神疾患をもつ人が社会生活機能の回復・維持を図るために、日中の一定時間、集団プログラム(作業、レクリエーション、SST など)に参加する外来リハビリテーションである。 集団の中での交流を通じて対人関係能力やコミュニケーション技能を高め、生活リズムを整え、再発予防と社会参加・就労を支援することが中核的な目的となる。
国試では「デイケア=症状の急性期治療の場ではなく、地域生活を支える精神科リハビリテーションの場」という位置づけを問う設問が繰り返し出る。 陽性症状の鎮静(薬物療法・急性期入院の役割)や家族心理教育(家族支援プログラムの役割)と混同させる選択肢がよく置かれるため、目的を「社会生活・対人関係の回復」と結びつけて覚えるとよい。
SST〈エスエスティー〉とは
社会生活技能訓練のこと。あいさつや相談の仕方といった対人技能を、ロールプレイで練習する集団プログラム。
- 1
陽性症状を鎮静化する。不正解
陽性症状(幻覚・妄想)の鎮静化は薬物療法や急性期治療の役割であり、デイケアの主目的ではない。
- 2
家族の疾病理解を深める。不正解
家族の疾病理解を深めるのは家族心理教育の目的であり、本人を対象とするデイケアの主目的ではない。
- 3
単身で生活できるようにする。不正解
単身生活の自立支援は結果として期待されうるが、デイケアの直接の目的は集団の中での対人関係能力の向上である。
- 4
対人関係能力の向上を目指す。正解
集団プログラムを通じ対人関係能力・社会生活機能の向上を図ることがデイケアの中核的目的であり、最も適切。
📚 国試でよく狙われるところ
精神科の外来リハビリテーションは、対象やプログラムの中身と、実施時間による名称の違いが入れ替えて問われる。名称と時間を対にして覚えよう。
- 対象は精神疾患をもち社会生活機能の回復を必要とする者で、入院中の患者は対象外
- プログラムには作業・レクリエーション・SST(社会生活技能訓練)・心理教育などが含まれる
- 地域移行・再発予防・就労支援と連続した精神科リハビリテーションの一環として位置づけられる
| 種類 | 標準的な実施時間 |
|---|---|
| 精神科ショートケア | 3時間 |
| 精神科デイケア | 6時間 |
| 精神科ナイトケア | 4時間(午後4時以降に開始) |
| 精神科デイ・ナイトケア | 10時間 |
いずれも医師の指示のもと、多職種チームで集団プログラムを提供する外来治療である。
参考: 厚生労働省「精神科デイ・ケア等に関する診療報酬上の取扱い」/系統看護学講座 精神看護学
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について