第107回 看護師国家試験 午後 問5 解説
📝 問題
倫理原則の「正義」はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 倫理原則の「正義(公正)」にあたるのは、公平な資源の配分を行うことである。
医療倫理の代表的な枠組みであるビーチャムとチルドレスの四原則は、自律尊重・無危害・善行・正義から成る。 このうち「正義(公正)」は、限られた医療資源や、利益と負担を人々に公平に分配することを求める原則である。
- 1
約束を守る。不正解
約束を守るのは誠実・忠誠に関する原則であり、正義ではない。
- 2
害を回避する。不正解
害を回避するのは無危害の原則である。
- 3
自己決定を尊重する。不正解
自己決定を尊重するのは自律尊重の原則である。
- 4
公平な資源の配分を行う。正解
公平な資源の配分を行うことは正義(公正)の原則そのものである。
📚 混同しやすいので注意
倫理の問題は、具体的な看護行為がどの原則に当たるかを振り分ける形で問われる。原則名とキーワードを1組にして覚えよう。
- 四原則に加え、誠実(約束を守る・真実を伝える)・忠誠(守秘義務)が挙げられることがある
- 看護職の行動指針として日本看護協会「看護職の倫理綱領」(2021年改訂)がある
| 原則 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 自律尊重 | 患者の自己決定を尊重する | インフォームドコンセント、意思決定支援 |
| 無危害 | 害を与えない・害を避ける | 誤薬・転倒の防止、不要な侵襲を避ける |
| 善行(与益) | 患者の利益になるよう行動する | 最善の医療・看護の提供、苦痛の緩和 |
| 正義(公正) | 利益と負担を公平に配分する | 限られた資源の公平な配分、災害時のトリアージ |
参考: ビーチャム・チルドレス『生命医学倫理』
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について