第107回 看護師国家試験 午後 問44 解説
📝 問題
廃用症候群を予防する方法で正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ ギプス固定後からの等尺性運動は、廃用症候群の予防になる。
廃用症候群は、安静や不動により筋萎縮・関節拘縮・骨萎縮などが起こる状態である。 予防には、固定中でもできる運動が役に立つ。 等尺性運動(アイソメトリック運動)は、関節を動かさないまま筋に力を入れる運動である。 ギプスで固定していても行えるので、筋力低下や筋萎縮を防げる。
他の選択肢は、方法か向きが合っていない。 等張性運動は関節を動かすので、固定中は行えない。 マッサージは静脈の流れに沿って末梢から中枢へ行うもので、向きが逆である。 足底板は足関節の肢位を保つ装具で、下腿三頭筋を収縮させるものではない。
- 1
関節固定後の等張性運動不正解
等張性運動は関節を動かす運動なので、関節を固定した状態では行えない。
- 2
ギプス固定後からの等尺性運動正解
等尺性運動は関節を動かさず筋を収縮させる運動で、ギプス固定中でも実施でき、筋萎縮の予防に有効である。
- 3
下肢の中枢から末梢へのマッサージ不正解
マッサージは静脈還流を促すため、末梢から中枢へ向かって行うのが原則で、向きが逆である。
- 4
足底板の装着による下腿三頭筋の収縮不正解
足底板は足関節を中間位に保って尖足を防ぐ装具で、下腿三頭筋を収縮させるものではない。
📚 混同しやすいので注意
廃用症候群は短期間で進むので、早期からの運動が要る。等尺性と等張性は入れ替えて問われる。「関節を動かすかどうか」で見分けて、予防の手技とセットで覚えよう。
- 安静臥床では筋力が1日に約1〜3%低下するとされ、廃用は短期間で進む
- 等尺性運動=関節を動かさず筋を収縮(大腿四頭筋セッティング、ギプス固定中も可能)
- 等張性運動=関節を動かして筋長が変化(歩行、ダンベル運動)
- マッサージや弾性ストッキングによる静脈還流の促進は末梢から中枢へが原則
- 関節可動域訓練は疼痛のない範囲でゆっくり行い、良肢位の保持と併せて拘縮を防ぐ
| 系統 | 症状 |
|---|---|
| 筋・骨格系 | 筋萎縮・筋力低下、関節拘縮、廃用性骨粗鬆症、高カルシウム血症 |
| 循環器系 | 起立性低血圧、深部静脈血栓症、心機能・予備力の低下 |
| 呼吸器系 | 沈下性肺炎、換気量低下、排痰困難 |
| 皮膚 | 褥瘡 |
| 消化器・泌尿器 | 食欲低下、便秘、尿路結石、尿路感染 |
| 精神・神経 | 意欲低下、抑うつ、見当識障害、せん妄 |
参考: リハビリテーション看護 標準テキスト
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について