第107回 看護師国家試験 午前 問88 解説

一般成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

Aさん(63歳、男性)。BMI 24。前立腺肥大症のため経尿道的前立腺切除術を受け、手術後3日で膀胱留置カテーテルが抜去された。数日後に退院する予定である。Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

2・5

💡 解説

✅ 経尿道的前立腺切除術後の退院指導では、水分摂取を促し、排便時に強くいきまないよう指導する。

経尿道的前立腺切除術(TURP)後は、切除面からの出血が起こりやすく、術後しばらくは血尿や出血のリスクが続く。 退院指導の要点は2つある。 十分な水分摂取で尿量を保つと、尿路の自浄が働き血塊による閉塞を防げる。 排便時に強くいきむと腹圧が上がって出血を誘発するため、強怒責を避けるよう指導する。

国試ではTURP後の生活指導が頻出である。 当面は激しい運動・長時間の乗車や自転車・重い物を持つことなど、腹圧や会陰部に負担がかかる行為を控える。 一方で適度な歩行はむしろ勧められ、便秘予防のための排便コントロールも行う。 散歩を控える・長時間の座位や長湯を勧めるといった対応は、出血予防や活動促進の観点から適切でない。

経尿道的前立腺切除術とは

尿道から内視鏡を入れ、大きくなった前立腺の内側を削り取る手術。切開はしないが、削った面から出血しやすい。

  • 1

    散歩を控える。不正解

    適度な歩行はむしろ勧められるため、散歩を一律に控える必要はない。

  • 2

    水分摂取を促す。正解

    水分摂取を促して尿量を保つことは尿路の自浄と血塊による閉塞予防につながる。

  • 3

    長時間の座位を控える。不正解

    長時間の座位を控えること自体は誤りではないが、退院指導として優先されるのは水分摂取と怒責の回避である。

  • 4

    時間をかけて入浴する。不正解

    長時間の入浴(長湯)は血流増加により出血を助長しうるため、時間をかけた入浴は勧められない。

  • 5

    排便時に強くいきまないようにする。正解

    排便時の強い怒責は腹圧上昇で出血を誘発するため、強くいきまないよう指導する。

📚 ここも一緒におさえておこう

経尿道的前立腺切除術は、術中から退院後までの合併症と生活指導がひとそろいで問われる。時期ごとに何へ注意するかを結びつけて覚えよう。

  • 術中〜術直後の重要な合併症はTUR症候群(灌流液の吸収による希釈性低ナトリウム血症)で、悪心・血圧変動・意識障害に注意する
  • 術後は持続膀胱洗浄を行い、排液の色調が徐々に淡くなることを確認する。凝血塊による閉塞は膀胱タンポナーデを招く
  • 逆行性射精(精液が膀胱へ流れる)は高頻度に起こるが、勃起機能や尿禁制は通常保たれることを説明する
  • 退院後しばらくは、重い物を持つ・長時間の自転車やバイク・長湯・過度の飲酒など、出血を誘発する行為を避ける
  • 便秘は怒責による出血の誘因となるため、水分と食物繊維の摂取で排便を整える

参考: 医学書院「系統看護学講座 成人看護学(腎・泌尿器)」

出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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