第107回 看護師国家試験 午前 問61 解説
📝 問題
Aさん(83歳、男性)は、脳梗塞の後遺症で右片麻痺があり、在宅療養中である。嚥下障害のため胃瘻を造設している。義歯を装着しているが、自分の歯が数本残っている。Aさんの口腔ケアについて、介護者への指導で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 歯垢(プラーク)の除去には歯ブラシを用いるのが適切である。
歯垢は細菌の集塊(バイオフィルム)であり、うがいや清拭では十分に除去できず、歯ブラシによる機械的な擦過が必要である。 自分の歯が残存しているAさんでは、残存歯の歯垢除去のために歯ブラシを用いることが口腔ケアの基本となる。 義歯は外して別に洗浄し、残存歯と義歯の双方を清潔に保つ。
経口摂取していなくても、唾液の分泌が減って自浄作用が落ち、口腔内の細菌が増えて誤嚥性肺炎の原因となる。 胃瘻や経管栄養であっても口腔ケアは欠かせない。
ケアの時機は、栄養剤の逆流や嘔吐を避けるため経管栄養の直前や食間が望ましい。 発泡する歯磨剤は誤嚥のおそれがあるため多用しない。
- 1
義歯を装着したまま歯を磨く。不正解
義歯は外して残存歯と義歯を別々に清掃するのが原則で、装着したままでは残存歯や歯肉溝の汚れを除去できない。
- 2
経管栄養直後に実施する。不正解
経管栄養直後は嘔吐・栄養剤逆流による誤嚥の危険が高く、実施は栄養前や食間が望ましい。
- 3
ペースト状の歯磨剤を使用する。不正解
発泡性の歯磨剤は嚥下障害のある患者では誤嚥を招きやすく、少量にとどめるか使用を避ける。
- 4
歯垢の除去には歯ブラシを用いる。正解
歯垢は細菌のバイオフィルムで、歯ブラシによる機械的清掃でなければ除去できない。
📚 国試でよく狙われるところ
口腔ケアは、義歯と残存歯の扱いを分けて問われる。道具ごとの手入れと、行う時機をセットで覚えよう。
- 義歯は外して別に洗浄し、流水と義歯用ブラシで洗う(熱湯は変形の原因になるため使わない)
- 外している間の義歯は水に浸けて保管し、乾燥による変形を防ぐ
- 歯ブラシは毛先を歯と歯肉の境目に当て、小刻みに軽い力で動かす
- 経管栄養を行っている人の口腔ケアは、逆流・誤嚥を避けるため注入前や食間に行う
参考: 日本口腔ケア学会編「口腔ケアの基準」
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について