第107回 看護師国家試験 午前 問46 解説
📝 問題
Aさん(35歳、男性)。身長175cm、体重74kgである。1か月前から腰痛と右下肢のしびれが続くため受診した。腰椎椎間板ヘルニアと診断され、保存的療法で経過をみることになった。Aさんへの生活指導として適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 腰椎椎間板ヘルニアの生活指導では、髄核の後方への突出を助長する前かがみの姿勢を控えるよう指導するのが適切である。
腰椎椎間板ヘルニアは椎間板の髄核が後方へ脱出し神経根を圧迫する疾患で、前かがみ(腰椎屈曲)姿勢は椎間板内圧を高め髄核の後方突出と神経圧迫を助長するため、控えるよう指導する。
BMIは約24(74kg÷1.75m²)で肥満ではなく、減量を第一に指導する状況ではない。疼痛に対しては安静と鎮痛が基本で、冷罨法が常に効果的とは限らない。腰の下に枕を入れると腰椎前弯が強まり負担が増すため、膝を軽く曲げて腰椎の負担を減らす方がよい。
髄核とは
椎間板の中心にあるゼリー状の部分。これが後方へ飛び出して神経を圧迫した状態が椎間板ヘルニアである。
- 1
「体重を減らしましょう」不正解
BMIは約24で肥満ではなく、減量を最優先に指導する状況ではない。
- 2
「痛いときは冷罨法が効果的です」不正解
疼痛時に冷罨法が常に効果的とは限らず、まずは安静と鎮痛が優先される。
- 3
「前かがみの姿勢を控えましょう」正解
前かがみの姿勢は椎間板内圧を高め髄核の後方突出を助長するため、控えるよう指導するのが適切である。
- 4
「腰の下に枕を入れて寝ると良いですよ」不正解
腰の下に枕を入れると腰椎前弯が強まる。膝を軽く曲げて臥床する。
📚 国試でよく狙われるところ
腰椎椎間板ヘルニアは、症状の見分け方・緊急を要するサイン・日常生活の姿勢指導がまとめて問われる。姿勢は「椎間板内圧が上がるか下がるか」で判断しよう。 保存的療法は安静・薬物療法・神経ブロック・コルセット・理学療法が中心で、多くは数週から数か月で軽快する。腹筋や背筋を鍛えることが再発予防につながる。
- 好発部位は第4-5腰椎間・第5腰椎-第1仙椎間。片側の下肢痛やしびれ(坐骨神経痛)が典型で、下肢伸展挙上(SLR)テストが陽性となる。
- 膀胱直腸障害や会陰部のしびれ(馬尾症候群)がみられる場合は緊急手術の適応である。
- 椎間板内圧は臥位で最も低く、座位での前傾姿勢で最も高い。
- 物を持つときは体に近づけ、膝を曲げて持ち上げる。
参考: 系統看護学講座 成人看護学 運動器
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について