第107回 看護師国家試験 午前 問39 解説

一般基礎看護学✔ 監修済み

📝 問題

輸血後、数日から数週間経過してから出現する副作用(有害事象)はどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 輸血後、数日〜数週間経過してから出現する副作用は輸血後移植片対宿主病(PT-GVHD)である。

PT-GVHD(輸血後移植片対宿主病)は、輸血血液中の供血者リンパ球が受血者の組織を攻撃することで生じ、輸血後およそ1〜2週間で発熱・紅斑・肝障害・下痢・汎血球減少を来し、致死率が極めて高い遅発性の重篤な合併症である。 放射線照射血の使用により予防する。

一方、溶血性反応(急性型)やアナフィラキシー反応は輸血中〜直後の即時型反応であり、発症時期が異なる。末梢血管収縮反応は、輸血の副作用として分類されているものではない。

  • 1

    溶血性反応不正解

    急性溶血性反応は輸血中〜直後に生じる即時型反応であり、数日〜数週後に出現するものではない。

  • 2

    末梢血管収縮反応不正解

    末梢血管収縮反応は輸血の代表的副作用の分類に含まれず、遅発性副作用としても該当しない。

  • 3

    アナフィラキシー反応不正解

    アナフィラキシー反応は輸血中〜直後に起こる即時型のアレルギー反応で、遅発性ではない。

  • 4

    輸血後移植片対宿主病(PT-GVHD)正解

    PT-GVHDは輸血後1〜2週間で発症する遅発性の重篤な合併症であり、放射線照射で予防する。

📚 国試でよく狙われるところ

輸血の副作用は、いつ起こるかを時間軸で並べ替えて問われる。輸血中〜24時間以内の即時型と、数日以降の遅発型に分けて覚えよう。 輸血開始後5分間はベッドサイドで観察し、15分後に再度観察、以後も定期的に観察する。患者と血液製剤の照合は2名で声に出して確認する。

輸血の副作用(発症時期別)
時期副作用要点
直後〜24時間急性溶血反応(ABO不適合)発熱・悪寒・腰背部痛・血色素尿・ショック・播種性血管内凝固(DIC)。ただちに中止
直後〜24時間アナフィラキシーIgA欠損者などに。血圧低下・喘鳴・皮疹
直後〜24時間発熱性非溶血反応白血球抗体による。保存前白血球除去で減少
6時間以内輸血関連急性肺障害(TRALI)非心原性肺水腫、低酸素血症
6時間以内輸血関連循環過負荷(TACO)心不全・肺うっ血。高齢者や心機能低下例で注意
数日〜2週遅発性溶血反応不規則抗体の再感作による
1〜2週PT-GVHD発熱・紅斑・肝障害・下痢・汎血球減少。致死率が高く放射線照射血で予防
数週〜数か月輸血後感染症B型・C型肝炎ウイルス、HIVなど

参考: 日本赤十字社「輸血情報」/系統看護学講座 血液

出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

この問題をアプリで演習しませんか?

この1問を演習する(無料)第107回の問題一覧を見る