第107回 看護師国家試験 午前 問117 解説
📝 問題
次の文を読み117、118の問いに答えよ。Aさん(31歳、初産婦)。妊娠40週1日。Aさんは午前5時に、陣痛間欠10分、陣痛発作10秒となり入院した。入院時の内診所見は子宮口1cm開大で、未破水であった。Aさんは、午後2時に子宮口が4cmまで開大し、破水した。このときの胎児心拍数陣痛図(別冊No.8)を別に示す。 胎児心拍数陣痛図の情報で正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 胎児心拍数陣痛図の情報として、胎児心拍数基線150〜160bpmが正しい。
胎児心拍数基線の正常は110〜160bpmで、150〜160bpmはこの範囲に入る値である。 子宮口4cm開大・破水した分娩第1期の記録(別冊No.8)では、基線と陣痛の間欠・発作を分けて読み取る。
胎児心拍数陣痛図(CTG)は、心拍数基線・基線細変動・一過性頻脈と一過性徐脈、それに陣痛の周期を区別して読む。 陣痛の間欠と発作は波形から読む値で、選択肢に挙げられた数値は図の記録と合わない。 母体脈拍は胎児心拍とは別に記録される値で、示された50/分は分娩中の値として考えにくい。
基線細変動とは
胎児心拍数が細かく上下に揺れる幅。中枢神経が働いているしるしで、消えたり小さくなったりすれば胎児の状態悪化を疑う。
- 1
陣痛間欠4分不正解
陣痛間欠は、発作の終わりから次の発作の始まりまでの時間である。図に記録された間欠は4分ではない。
- 2
陣痛発作10秒不正解
陣痛発作は子宮収縮が続いている時間で、分娩が進むにつれて長くなる。入院時と同じ10秒という値は図の記録と一致しない。
- 3
母体脈拍数50/分不正解
母体脈拍数50/分は成人の正常(60〜100/分)を下回る極端な徐脈で、通常の分娩経過の記録としては考えにくい。
- 4
胎児心拍数基線150〜160bpm正解
胎児心拍数基線150〜160bpmは正常範囲内にあり、図に記録された所見と合致する。
📚 国試でよく狙われるところ
胎児心拍数陣痛図は、基線・細変動・一過性の変動の見分けと、陣痛の数え方がまとめて問われる。数値と意味を対にして覚えよう。
- 心拍数基線の正常は110〜160bpm。160bpmを超える状態が10分以上続けば頻脈、110bpm未満なら徐脈とする
- 基線細変動は6〜25bpmが正常で、消失・減少は胎児の状態悪化を示す重要な所見である
- 早発一過性徐脈は児頭圧迫による生理的なもの、遅発一過性徐脈は子宮胎盤循環不全、変動一過性徐脈は臍帯圧迫を示唆する
- 一過性頻脈の存在は胎児の状態が良好であることを示す
- 陣痛の周期は発作の開始から次の発作の開始まで、間欠は発作の終了から次の発作の開始までを指す
参考: 日本産科婦人科学会「胎児心拍数モニタリングの評価と対応」/医療情報科学研究所編『母性看護学』
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について