第106回 看護師国家試験 午前 問85 解説
📝 問題
Aさん(48歳、男性)は、右眼の視野に見えにくい部位があることに気付き眼科を受診した。暗い部屋で見えにくいことはない。頭痛や悪心はない。Aさんの疾患を診断するのに必要な検査はどれか。2つ選べ。
✅ 正解
3・4
💡 解説
✅ 緑内障を確かめるために、眼圧測定と眼底検査を行う。
48歳で、右眼の視野の一部が見えにくい。暗い所で見えにくいことはなく、頭痛や悪心もない。この組み合わせから、視野がゆっくり欠けていく緑内障を疑う。目の中の水(房水)が隅角から流れ出にくくなり、視神経が傷んで起こる病気である。 確かめる検査は2つ。眼圧測定で目の中の圧が高くなっていないかをみて、眼底検査で視神経乳頭のへこみが広がっていないかをみる。あわせて視野検査で欠けている場所を調べる。
他の選択肢は、別の症状を調べる検査である。脳波は脳の電気活動を、色覚検査は色の見分けにくさを、眼球運動検査は目を動かす筋と神経のはたらきをみるもので、いずれも視野の欠けの原因にはたどりつかない。 なお暗い所で見えにくくないことは網膜色素変性症を、頭痛や悪心がないことは眼圧が急に上がる発作を遠ざける手がかりになる。
隅角とは
角膜と虹彩が出会う角の部分。目の中の水がここから流れ出るため、ふさがると眼圧が上がる。
- 1
脳波検査不正解
脳波検査は脳の電気活動を記録する検査で、てんかんや意識障害の評価に使う。視野の欠けは眼底検査と視野検査で調べる。
- 2
色覚検査不正解
色覚検査は色の見分けにくさを調べる検査である。生まれつきの色覚異常などを見つけるために行う。
- 3
眼圧測定正解
眼圧測定は目の中の圧を測る検査で、緑内障の診断と、治療で圧が下がったかの判定に欠かせない。
- 4
眼底検査正解
眼底検査では視神経乳頭を直接見て、緑内障で広がるへこみや網膜の状態を確かめる。
- 5
眼球運動検査不正解
眼球運動検査は目を動かす筋と脳神経のはたらきをみる検査で、複視や斜視があるときに行う。
📚 国試でよく狙われるところ
緑内障は、気づかないうちに視野が欠ける型と、急に発作を起こす型が入れ替えて問われる。見つけ方と進み方をまとめて覚えよう。
- 一度欠けた視野は元に戻らない。治療は進行を止めることが目的で、自覚症状がなくても点眼を続ける
- 日本人には眼圧が正常範囲でも起こる正常眼圧緑内障が多く、健診の眼底検査が見つける手がかりになる
- 急に眼圧が上がる閉塞隅角緑内障の発作では、眼痛・頭痛・悪心嘔吐が起こり、すぐに眼圧を下げる処置が要る
- 緑内障は日本人の中途失明の原因の第1位である
参考: 日本眼科学会「緑内障診療ガイドライン」/系統看護学講座 成人看護学 眼
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について