第106回 看護師国家試験 午前 問86 解説

📝 問題

麻疹に関して正しいのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

1・4

💡 解説

✅ 麻疹は脳炎を合併することがあり、ワクチンは2回の定期接種で行われる。

麻疹は麻疹ウイルスによる空気感染する病気で、感染力はきわめて強い。高熱・咳・鼻水・目の充血に続いて、口の中にKoplik(コプリック)斑が現れ、いったん熱が下がってから再び発熱して発疹が出る。 合併症では肺炎と脳炎が多く、命に関わる。数年たってから亜急性硬化性全脳炎を起こすこともある。

効く抗ウイルス薬はなく、治療は解熱や水分補給などの対症療法になる。予防が中心で、麻疹風疹混合(MR)ワクチンを1歳と小学校入学前の1年間に、2回の定期接種として行う。

他の選択肢は、時期と原因が違う。感染力が最も強いのは発疹が出る前のカタル期で、かぜと区別がつかないうちに周囲へ広がる。原因は麻疹ウイルスで、エンテロウイルスとはまったく別の仲間である。

カタル期とは

発疹が出る前の、熱・せき・鼻水・目の充血が続く時期。かぜとよく似ていて見分けがつきにくい。

  • 1

    合併症として脳炎がある。正解

    麻疹脳炎は発疹が出てまもなく起こる重い合併症で、後遺症を残すことがある。数年後に現れる亜急性硬化性全脳炎も知られている。

  • 2

    感染力は発疹期が最も強い。不正解

    感染力が最も強いのは、発疹が出る前のカタル期である。熱と咳だけの時期にすでに周囲へうつしている。

  • 3

    効果的な抗ウイルス薬がある。不正解

    麻疹に効く抗ウイルス薬はない。治療は解熱・水分補給・栄養補給などの対症療法になる。

  • 4

    2回のワクチン定期接種が行われている。正解

    麻疹風疹混合ワクチンを、1歳と小学校入学前の1年間の2回、定期接種として行う。

  • 5

    エンテロウイルスの感染によって発症する。不正解

    原因は麻疹ウイルスである。エンテロウイルスが起こすのは手足口病やヘルパンギーナになる。

📚 国試でよく狙われるところ

麻疹は、感染経路・うつしやすい時期・予防接種を入れ替えて問われる。「空気感染・カタル期・2回接種」の3つを組にして覚えよう。

  • 空気感染するのは麻疹・水痘・結核の3つ。患者は陰圧個室に入り、医療者はN95マスクを着ける
  • 麻疹の患者に接触した人には、72時間以内のワクチン接種や6日以内の免疫グロブリン投与で発症を抑える
  • 日本は2015年に麻疹の排除状態と認定されたが、海外から持ち込まれて流行が起こることがある

参考: 厚生労働省「麻しんについて」/厚生労働省「予防接種法に基づく定期接種」

出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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