第105回 看護師国家試験 午後 問84 解説
📝 問題
前腕の内側中央部に創部がある患者で、創部のガーゼがずれないよう固定をする必要がある。伸縮性のある巻軸包帯を使う場合に適切なのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
3・5
💡 解説
✅ 前腕の中央は太さがほぼ変わらないため螺旋帯で巻き、巻き終わりは環行帯でとめるのが適切である。
巻軸包帯は末梢から中枢へ向かって巻く。中枢側から巻くと先のほうに血液がうっ滞し、むくみや循環障害を起こすためである。
創部のある前腕の中央あたりは太さがほとんど変わらない。太さの変化が少ない筒状の部位には螺旋帯が合う。設問の包帯は伸縮性があるので、多少の太さの違いにもそのままなじみ、折転は要らない。 巻き始めと巻き終わりは環行帯にすると、ゆるまずにとまる。
残りは巻き方の原則から外れる。創部の上から巻き始めると圧が直接かかり、ずれたときにガーゼも一緒に動く。伸縮性の包帯を引き伸ばしたまま巻くと締めつけが強くなりすぎる。手関節から肘関節まで巻くと2つの関節をまたぎ、腕の動きを妨げる。 巻いたあとは指先の色・温かさ・しびれを確かめ、締めつけすぎていないかをみる。
環行帯とは
同じ場所に包帯を重ねて巻く巻き方。ずれ止めになるので、巻き始めと巻き終わりに使う。
螺旋帯とは
包帯を少しずつずらしながら重ねて巻く巻き方。上腕・大腿のように太さの変化が少ない部位に使う。
- 1
創の部位から巻き始める。不正解
巻き始めは創部から離れた末梢側にとる。創の上から巻き始めると圧が直接かかり、ずれたときにガーゼも動く。
- 2
包帯を伸ばした状態で巻く。不正解
伸縮性の包帯は引き伸ばさず、自然な張りのまま巻く。伸ばしたまま巻くと締めつけが強くなり循環を妨げる。
- 3
前腕部の巻き方は螺旋帯とする。正解
前腕の中央は太さがほぼ変わらず、伸縮性のある包帯を少しずつずらして重ねる螺旋帯で足りる。
- 4
手関節から肘関節まで巻く。不正解
2つの関節をまたぐと腕の動きを妨げる。前腕中央の創部を覆うのに必要な範囲にとどめる。
- 5
巻き終わりは環行帯とする。正解
同じ場所を重ねて巻く環行帯にすると、ゆるまずにとまる。巻き始めも同じく環行帯にする。
📚 国試でよく狙われるところ
包帯法は、巻き方の名前と適する部位の組合せで問われる。部位の形(太さの変化・関節かどうか)と巻き方を対にして覚えよう。
- 折転帯=1巻きごとに折り返す。太さの変化が大きい部位に使う
- 麦穂帯=8の字を描いて巻く。肩や股関節など大きく動かす関節に使う
- 亀甲帯=関節を中心に扇形に広げて巻く。肘や膝の曲げ伸ばしを妨げない
参考: 標準的な基礎看護技術(包帯法の基本と巻き方の種類)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について