第105回 看護師国家試験 午後 問34 解説
📝 問題
がん対策基本法で定められているのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ がん対策基本法は、都道府県にがん対策推進計画の策定を定めている。
がん対策基本法は、国ががん対策推進基本計画を定め、都道府県がそれをもとに都道府県がん対策推進計画を策定することを定めている。 法律が決めるのは計画づくりの枠組みで、具体的な数値目標は計画のほうに書かれる。
他の3つは、出題時点では法律ではなく基本計画に置かれた目標だった。がんによる死亡者の減少は全体目標、受動喫煙のない職場の実現と、がんと診断されたときからの緩和ケアの推進は個別目標である。
出題時点(2016年2月)の法律は、緩和ケアについて「疼痛等の緩和を目的とする医療が早期から適切に行われるようにすること」と書いていた。「診断されたときから」は基本計画の側の言い方で、この設問は出題時点の条文で解く。 2016年(平成28年)12月の改正で、現行法には「緩和ケアが診断の時から適切に提供されるようにすること」が入っている。受動喫煙対策のほうは、2018年の健康増進法改正(2020年4月全面施行)で屋内が原則禁煙と定められた。がん対策基本法ではなく健康増進法が受け持つ領域である。
がん対策推進基本計画とは
がん対策基本法にもとづいて国が定める計画。施策ごとに具体的な目標と達成の時期を決める。
- 1
受動喫煙のない職場を実現する。不正解
受動喫煙のない職場の実現は、がん対策推進基本計画に置かれた個別目標である。受動喫煙そのものの規制は健康増進法が定めている。
- 2
がんによる死亡者の減少を目標とする。不正解
がんによる死亡者の減少は、がん対策推進基本計画の全体目標として掲げられたものである。法律には具体的な数値目標は書かれない。
- 3
都道府県がん対策推進計画を策定する。正解
都道府県は、国の基本計画をもとに都道府県がん対策推進計画を策定する。がん対策基本法が定めており、2016年の改正の前後を通じて法律に置かれている。
- 4
がんと診断されたときからの緩和ケアを推進する。不正解
がんと診断されたときからの緩和ケアの推進は、出題時点では基本計画の個別目標で、当時の法律の文言は「早期から」だった。2016年12月の改正で現行法にも同じ趣旨が入っており、いまの条文だけを見ればこの内容も法律に定められている。
📚 国試でよく狙われるところ
がん対策は、法律に書いてあることと基本計画の目標を入れ替えて問われる。枠組みは法律、数値目標は計画、と対にして覚えよう。
- 第4期がん対策推進基本計画は2023年(令和5年)3月に閣議決定され、全体目標は「誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す」
- 柱はがん予防・がん医療・がんとの共生の3つで、がん検診の受診率は60%を目標とする
- 基本計画は少なくとも6年ごとに見直され、都道府県はこれをもとに自分の計画を作る
参考: がん対策基本法/厚生労働省 第4期がん対策推進基本計画
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について