第105回 看護師国家試験 午前 問72 解説
📝 問題
Aさん(60歳、男性)は、胃癌の手術目的で入院した。大動脈弁置換術を受けた既往があり、内服していたワルファリンをヘパリンに変更することになった。確認すべきAさんの検査データはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ ワルファリンからヘパリンへ切り替えるときに確認するのはPT-INRである。
ワルファリンは肝臓でビタミンKのはたらきを妨げて血を固まりにくくする薬で、効き具合はPT-INRで確かめる。値が大きいほど固まりにくく、目標の範囲に入っているかを見ながら量を決める。
手術の前は、効き目が長く続くワルファリンをやめ、短時間で切れるヘパリンへ切り替える(ヘパリン置換)。切り替えのあいだはPT-INRが下がってきたことを確認し、手術に向けて出血の危険を抑える。
他の4つは別のことをみる検査である。赤血球数とヘモグロビン値は貧血の有無と程度、白血球数は感染や炎症、出血時間は血小板のはたらきを反映する。
PT-INR〈ピーティーアイエヌアール〉とは
血が固まるまでの時間をもとに計算した値。値が大きいほど血が固まりにくい。ワルファリンの効き具合をみるのに使う。
- 1
PT-INR正解
PT-INRはワルファリンの効き具合を表す値で、量の調整と手術前の切り替えの判断に使う。
- 2
赤血球数不正解
赤血球数は貧血の有無をみる検査で、ワルファリンの効き具合は反映しない。
- 3
白血球数不正解
白血球数は、感染や炎症の有無をみる検査である。
- 4
出血時間不正解
出血時間は血小板のはたらきをみる検査で、ワルファリンの効果は反映しない。
- 5
ヘモグロビン値不正解
ヘモグロビン値は貧血の程度をみる値で、出血が起きたあとの評価に使う。
📚 混同しやすいので注意
抗凝固薬は「どの薬をどの検査でみるか」を入れ替えて問われる。薬と検査を対にして覚えよう。
- ワルファリンを飲んでいる人は、ビタミンKの多い納豆・クロレラ・青汁を避ける。ビタミンKが薬のはたらきを打ち消す
- ヘパリンの効き具合はAPTTでみる。効き目が短く、中止すればすぐ抜けるので手術前の橋渡しに使う
- 直接経口抗凝固薬(DOAC)は決まった量を飲む薬で、定期的な検査による量の調整がいらない
参考: 標準的な成人看護学(抗凝固療法とヘパリン置換)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について