第105回 看護師国家試験 午前 問56 解説
📝 問題
低用量経口避妊薬について正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 低用量経口避妊薬には、月経前症候群の症状を軽くする副効用がある。
低用量経口避妊薬は、エストロゲンとプロゲステロンを毎日のむことで排卵を抑え、妊娠を防ぐ薬である。のみ忘れずに続ければ避妊の効果は高い。
避妊のほかに得られる働きを副効用という。月経の量が減って月経困難症や貧血がやわらぎ、月経前症候群の症状も軽くなる。月経の周期が整い、卵巣癌・子宮体癌の危険が下がることも知られている。
注意すべき副作用は血栓症である。喫煙や肥満、年齢が高いことが重なると危険が上がるので、ふくらはぎの痛みや腫れ、急な息苦しさ、強い頭痛が出たらすぐ受診するよう伝える。
副効用とは
薬が本来の目的とは別にもたらす良い働き。低用量経口避妊薬では、月経痛や月経前症候群がやわらぐことがこれにあたる。
- 1
血栓症のリスクは増加しない。不正解
逆。エストロゲンの働きで血液が固まりやすくなり、血栓症の危険はむしろ高まる。
- 2
1日飲み忘れたときは中止する。不正解
1日のみ忘れたときは、気づいた時点ですぐに1錠のみ、その日の分もいつもの時間にのむ。自己判断で中止すると排卵が起こり、避妊の効果が失われる。
- 3
授乳期間を通じて内服は可能である。不正解
エストロゲンは母乳の分泌を抑えるため、授乳中はこの薬を避ける。授乳の時期はほかの避妊法を選ぶ。
- 4
副効用に月経前症候群〈PMS〉の軽減がある。正解
月経量の減少や月経困難症の軽減とともに、月経前症候群の症状が軽くなることが副効用として知られている。
📚 国試でよく狙われるところ
低用量経口避妊薬は、のみ忘れたときの対応と、使えない人が問われる。「気づいたらすぐのむ」「血が固まりやすい人には使わない」の2点で覚えよう。
- 1日のみ忘れたら、気づいた時点で1錠のみ、その日の分もいつもの時間にのむ
- 2錠以上のみ忘れたときは、他の避妊法を併用しながら医師の指示を受ける
- 血栓症の既往、前兆のある片頭痛、重い高血圧、35歳以上で1日15本以上の喫煙者には使えない
参考: 日本産科婦人科学会「低用量経口避妊薬・低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬 ガイドライン」/系統看護学講座 母性看護学
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について